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好きなことも楽しんでほしいけれど…進まないASD中2娘の家庭学習。長引いた休校で家族のストレスも高まる中、救いの一手は意外なところから!?

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休校期間、中学生いっちゃんの家庭学習は...


今年の3月下旬から新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、多くの全国の小中学校が休校となりました。でこぼこ兄妹の兄、タケルの大学は急遽リモートのみの授業となり、妹いっちゃんの中学はなんと無期限休校というロングバケーション。

これまでは不登校気味とはいえ、週に1~2度は学校に行って総合学習室で支援スタッフの先生と勉強したり、授業で使ったプリントなどをやったりしていたいっちゃんですが、休校期間は出された宿題を家でやり進めることに。

提出日の遠い宿題を毎日少しずつ家でこなすのは難しく、次第にお絵かきやMMDなどの"自主学習"に熱を入れるようになりました。

元々、夏休みの宿題はカンタンなところは最初にやって、残りはギリギリまでやらないタイプです。必然的に学校での勉強の方は積み残しが多くなってきました。

「いつ学校が再開して総合学習室に行けるかわからないんだから、おうちでも宿題をやっておかないといけないよ。」と言っても、
「いつもよりはしてるよ!」と涼しい顔。

そりゃあ、いつもは平日の自宅学習は0ですから、ウソではないのでしょうけど…。


好きなことも楽しんでほしいけれど…進まないASD中2娘の家庭学習。長引いた休校で家族のストレスも高まる中、救いの一手は意外なところから!?

Upload By 寺島ヒロ

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ずーっと家にいますし、リラックスするところと勉強するところ、場所が変わらないとなかなかけじめがつきにくいということもあるのでしょう。

しかし、塾などに行かせようにも、この時期、見学などもなかなか行けませんし、子どもが集まって一緒に勉強するような場所はどこも閉まっている…困ったなとは思いつつも、大物の動画づくりに挑戦する娘を見て、「時間が自由に使える今しかできない事に熱中しているのだから、まあいいか。そのうち学校も再開するだろう。」と思っていました。

長引く休校、そろそろまずいかも!?そこで現れた助っ人は


しかし、ゴールデンウィークを越えたあたりから「これはまだまだ学校再開は先になるんじゃないか?再開したらすぐ目の前が期末試験!やばいんじゃないか?」という気がひしひしとしてきました。

テストで良い点を取ってほしいというわけではないのです。再開したときに、他の子どもたちとあまりに勉強の進度が違うと、一緒に授業を受けることが難しくなるんじゃないか…という思いが頭をもたげてきたのでした。

睡眠障害のある娘にとって、週に1~2回しかないクラスのみんなと一緒に受ける授業の時間が、ただただ時間をやり過ごすだけになるのは辛すぎる…やはり、学校の勉強も少しは…いえ頑張ってやらせなければ!!でもどうやって??

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タケル「練習を兼ねて、私がいっちゃんに授業をしますので、その時間分のバイト代をください。」
わたし「それだー!!」

実はお兄ちゃん、この新型コロナ流行のあおりをくって、バイト先の塾が休みになっていたのです。灯台下暗し、渡りに船とはこのこと。
時給を払って、お兄ちゃんに丸投げすることにしました。

これが思った以上に大はまり!

さくさくと…とはいきませんが、宿題の山が目に見えて減ってくるようになりました。

また、調子の上がり下がりの大きい娘の様子を、常にタケルが気にして見ていてくれるので、大変私が楽になりました。

兄妹のことでも、時給制!そこにはいくつもメリットが

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あまり意識していなかったのですが、休校になってから、わが家ではいっちゃん一人がハイテンション(そしてしばしば調子が上がりすぎて真っ青な顔で倒れる)な中で、息子が静かにストレスを溜めていました。

私もまた、子どもたちのどちらかが倒れないように、爆発しないように、仕事をしながらも常にカットインするタイミングを計っていたりするので、いつも以上に疲れていたようなのです。この「時給を出す作戦」を始めて、家の中がすーっと明るく、空気も軽くなったのを感じました。

年が上の子どもに年下の子どもの面倒を任せるというと、年長の子どもの負担が大きいことや、親の代わりができるのか、任せてよいのかという問題が出てくると思います。私の年代でも「"お兄ちゃんでしょ、お姉ちゃんでしょ"と言われて辛かった」と、大人になってから言う人もいますから、恨みは深いものと思われます。
(ちなみに私自身は一人っ子です。なんか申し訳ない。)

しかし、私はその「恨み」は、妹弟の面倒を押しつけられて自分の遊ぶ時間がなくなったとか、責任を負わされて困ったということではないと思います。親が負担を負担と認めず、「自分の弟妹なんだから可愛いでしょう?可愛いんだから負担なんて言っちゃダメ」という訳の分からない理屈で、当たり前のように自分の時間を奪われ、労働を強いられているように感じるという、ぼんやりとした悲しい想いが正体なのではないでしょうか。

年若い血縁を可愛く感じることと、作業の負担が重いことは別の話です。私たちは母親の権利の話となるとそれに思い至るのに、子どものこととなると少し鈍感になってしまうのかもしれません。

私は息子に「仕事をするから時給を払え」と言われ、「全くその通りだ!さすがタケルさん!」と感心しました。負担を負担として認め、対価を払うことにしたのです。
(対価を現金にしたことについては、まだ議論の余地があるかもしれませんね…。)

しかし、いっちゃんは自分の仕事(動画づくりなど)で忙しいので、勉強時間を確保するのも大変です。声掛けをしてもなかなか捕まってくれません。

おかげで時給もあまり稼げていないのですが、それでもタケルはそれなりにやりがいを持ってやってくれているようです。

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ところで、この雀の涙のような時給の使い道ですが...

タケルはいつもいっちゃんを連れて動物園や水族館に出かけます。そして、出かけた先でパフェを食べたり、動物園とコラボしているアニメのグッズを買ったりするのです。もちろん、いっちゃんの分も…!

「私が時給を稼げば、自分が良いところに連れて行ってもらえると認識させるのです。こうして、勉強へのモチベーションを強化するのです。」と言うタケル。
さすがすぎます…。

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