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無関心、一人遊び、ブリッジで怒り表現...?小5ASD息子が放課後に友達と遊べるようになるまで。「こんなとき、どうする?」を親子で具体的にシミュレーション

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友達付き合いは“コウのペース”で少しずつ

無関心、一人遊び、ブリッジで怒り表現...?小5ASD息子が放課後に友達と遊べるようになるまで。「こんなとき、どうする?」を親子で具体的にシミュレーション

Upload By 丸山さとこ

読書・工作・折り紙などの1人遊びが好きなコウですが、友人と遊ぶことも大好きです。

学校の休み時間も家と同じように本を読んだり絵を描いたりしていることが多いようですが、たまにクラスメイトと絵を描いたり話をしたりすることもあるようです。

今ではそんな風に自分なりのペースで友達関係を育んでいるコウですが、3歳頃までは公園や児童館で会う子ども達に興味を示すことはなく、むしろ避けて通ることもあるくらいでした。

幼児期のコウの友達との関係は?


相手が大人であれ子どもであれ人間にあまり興味を示さなかったその頃のコウは、行動が激しく声も大きいためか基本的には子どものことが苦手なようでした。大人しい子であれば近くにいることはできましたが、関わることはありませんでした。

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「同年代の子どもと接することを強要しても仕方ない。興味が出るのを待とう」と考えた私は、積極的に仲介をすることはしませんでした。

とはいえ、「子どもという存在が見慣れないものになると“興味を持つきっかけ”も生まれないかもしれない」とも思ったため、コウにとって強いストレスにならないよう、ある程度空いている時間帯に公園や児童館へ行っていました。


そうしてあまり子どもとの関わりがないまま保育園に入園したコウは、反応が乏しく大人しいことからおままごとに誘われるなどして、意外にも集団での遊びに参加していました。

おままごとは家でも自発的に行うことの多い遊びだったことから、コウにとっても落ち着く作業になっていたようです。

彼にとってのおままごとは“関わり遊び”というよりは“知っているシーンの再現遊び”だったようで、特に他の子と話をすることもなく黙々と料理を作ったりしていましたが、周囲もまだ幼児であることから大きく浮かずに一緒にいることができたようです。

あまりしゃべらず大人しかった3歳までから一転、4歳になったあたりから語彙が増え始めたコウは、5歳頃から思うようにいかない時にブリッジをして怒るようになりました。
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ある程度会話で意思を伝えられるようになってきたことで、かえって「思うようにならない!」と感じることも増えてきたのかもしれません。

この頃はまだ同級生とケンカが成立する程のコミュニケーション力はなく、突然1人で怒りながらブリッジを始めることが彼なりの怒りの表明だったようです。「意思を伝えるということは高度なコミュニケーションなのだな…」と思ったことを覚えています。

そんなコウも、年長になる頃には一緒に図鑑を見たりふざけあったりする友達ができたようです。
迎えに行くと誰かと遊んでいる姿を見ることも多くなりました。

小学生になり、友達と行動を共にできるクラスメイトの中で…


小学校入学後も、まだ学年全体に幼さの残る1年生の1学期までは“同じところに集まってワイワイやっている”だけで何となく友人関係が成立していましたが、夏休みが明けた頃から少しずつ周囲とズレが出てくるようになってきました。

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2年生にもなると、たとえ気の合う子と遊ぶのであっても、「友達と行動を共にする」ことや「ルールを擦り合わせて共有する」ことが必要になってきます。

皆が違う遊具に移動する際に声をかけられても「僕はこれをしていたいから」と言いその場に留まるコウです。そんな“協調性の無さ”から同級生の中でも浮いていることが目立つようになってきました。

私は、学校でのクラスメイトとの関係については“いじめ”でない限りは直接的な介入はしませんでした。

授業中のグループワークなど、協力を得られず課題を進められないのであれば義務教育に支障が出ているということで介入の必要があるかと思いますが、休み時間に誰とどう過ごすかは、子どもの自由だと考えているからです。

親から見れば些細な事に思えることでもコウ本人がいじめだと感じていることはありますし、“いじり”なのか“いじめ”なのか微妙だなと思う時もあります。
そのような時は担任の先生に事実の確認や見守りをお願いしたり、スクールカウンセリングにて相談をしたりしていました。

「こんな時どうする?」を一緒に考える日々


コウは今までSSTを受けたことはありません。近くに通える施設が少なく、月に1度病院にてカウンセリングを受けながら空くのを待っている状態です。

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その為、カウンセリングにて相談をしている他は、私がただの親子関係として「こんなことがあったんだよ」「お母さんはこういう時どうしたらいいと思う?」を聞いたり答えたりしているだけです。

私自身もASD・ADHDの成人当事者です。コミュニケーションは全く得意ではありませんが、年齢分の経験があることから少しだけ「こうじゃないかな?」「こういうことが起こっているのかもしれないね」と“お母さんはこう思うよ”の範囲で話すことはできます。

「遊んでいた友達が移動する時にコウが付いていかないのであれば、その子はまた新しく遊ぶ相手を確保しなくちゃいけなくなるね。そうしたら、その子は次からどうする?」と聞くと、コウは「うーん…『最初から違う子に声をかけたらずっと遊べる』ってなるか…」と答えます。


そうして状況を推測して共有した後は、コウに「どうしたい?」と聞くようにしています。コウが「それなら僕も1人で遊んでいた方が自分のペースで遊べていいな」と思うのであれば、それに対するメリットとデメリットを並べて一緒に考えてみます。

友達の繋がりを持っておかないとサッカーやキャッチボールなどの1人ではできない遊びの時に困るかもしれません。自分にとって都合の良い時だけ仲良くしよう!とはいかないからです。

無関心、一人遊び、ブリッジで怒り表現...?小5ASD息子が放課後に友達と遊べるようになるまで。「こんなとき、どうする?」を親子で具体的にシミュレーション

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一方、あまりに無理をして友達のペースに合わせていると、「ちっとも楽しくないし疲れる!」となってしまうかもしれません。

そうして考えていくと、「こういうところはもう少し周りに合わせた方が良さそうだな」とか「これは譲りたくないな。どうやって伝えたらいいのかな?」とか、「遊びの好みやテンポが合う子と一緒にいた方がいいんだな」ということが分かっていきます。

もちろん、現実はそこまでシンプルではありません。
特に、中学年以降になると“相手も本当は嫌だけど我慢をしている”とか、“力関係でNOを言いにくい状況である”など、色々と難しい場面もあるとは思います。それでも、「そういうパターンの可能性もあるよ」という経験を重ねていくことでトラブルの原因や対処法を理解していく部分はあるようです。

資源回収などで色々な学年の子ども達が集まった時の様子を見ると、大体2~3学年下の子どもと丁度足並みが合うようで、本当は年齢に縛られず「コミュニケーション能力の発達段階が丁度合う相手」と関わる場があると良いのかもしれないなと感じています。

5年生となった現在でも年齢より幼いコミュニケーション力からトラブルを起こすことはしばしばありますが、時には先生などの大人だけでなく、クラスメイトや上級生が仲裁に入ってくれることもあります。

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また、趣味をいくつか持つようになったことで、それをきっかけにクラスメイトとの交流が生まれることもあるようです。ゲームや将棋やScratch(プログラミングソフト)など趣味が合う友達と遊んだりしているようです。

趣味があると余暇の過ごし方も少し豊かになるようです。無理強いにならない範囲で、新しいものに触れる機会を作っていけたらいいなと思っています。

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