子育て情報『私立中で初めて手にした、いじめとは無縁の6年間。学歴カーストがASDの私を守ってくれた…?発達障害がある子の学校選びに思うこと』

2020年10月16日 12:00

私立中で初めて手にした、いじめとは無縁の6年間。学歴カーストがASDの私を守ってくれた…?発達障害がある子の学校選びに思うこと

最終的に東大などの最難関大学を目指す子が集まっているその進学校では、勉強ができることがいわゆるスクールカーストを上げます。私はここに移ったことで、本人は変わっていないのにスクールカーストが最下位から最上位に上がったのです。

基本的にみんなどちらかというと運動が不得意だし、運動ができることがスクールカースト上重視されないので、体育でバカにされることもありません。小学校のときのように休み時間に運動を強制されることもなく、本を読んでいればむしろ熱心で立派だとされました。

コミュニケーション障害からくる言動の突飛さから、気づくと数人のグループから敬遠されていたり(私抜きでこっそり休みの日に遊びに行っていたりする)、数人のグループから軽くコソコソと噂話されるようなことはありましたが、いじめと言えるほどのことは起きませんでした。

それどころか、何やら様子がおかしいと思っていると、「宇樹を複数の子で奪い合いをしていた」ということも起きました。近くで見ていた子によると、「宇樹は成績がいいだけじゃなくて何事にも一家言持ってるし、独特なところがあって面白いから、近くで見ていたいんでしょ」とのことでした。

いずれにしろみな上品で、誰かに嫉妬したり誰かの足を引っ張ったりということよりも自分のやるべきことに集中しようというタイプだったので、学校全体としてあまり深刻な人間関係トラブルは起きませんでした。



初めて経験する、「呼吸がしやすい」世界

小学部から高等部まであるその学校。入学式のときに小学部の子たちがみんなきっちりとした立ち居振る舞いで式典をこなしていたことに両親は心底驚き、希望に包まれたそうです。

ボーッとしていた私も、入ってすぐに、何やら空気が違うことに気づきました。みんなおっとりと、かつきちんとしている。「呼吸がしやすい」感じがしました。

「みんなレベルが高いから、そのうち少しぐらい成績が落ちるだろう」と言われていた私でしたが、定期試験では学年上位を取りつづけました。いじめられるかもとビクビクしていると、周囲の子たちがまっすぐに「すごい!」と尊敬の眼差しで見るので、狐につままれたような気持ちになりました。
「この3位の宇樹義子って私の友達なんだよ!」他のクラスの子に自慢する子。
「いつも上位とってる宇樹義子ってどの子?」と他のクラスから見にくる子。「ここでは、『勉強ができることはいいこと』なのだな」

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