どんなに練習しても書けない漢字がある娘、先生からは「もっと家庭学習を」と言われ...追い詰められた母娘の転機となったのは
支援の空白期間
娘には小学校1年生から4年生までの間、『支援の空白期間(支援を受けていなかった期間)』がありました。
主な理由は
・小学校入学と同時に引越しをしたため、それまでの受けていた療育機関からの引継ぎが上手く機能しなかった
・下の子の妊娠、出産で親が思うように動けなかった
・療育センターに相談しても「様子見しましょう」と言われ、療育プログラムを受けられなかった
・受動型だったため、学校での本人の困り感が見過ごされていた
などでした。
その間、学校の授業で必要な縄跳びや鉄棒などの練習や、定規やコンパスの練習や工夫は家で試行錯誤しながら行っていました。
『読める』けれど『書けない』
高学年になると、娘は漢字テストを苦痛に感じるようになりました。
小さい頃から本を読むことが大好きで、多くの知識を本から吸収してきた娘でしたが、
“読む”ことはできても、何度練習してもどうしても“書く”ことができない漢字が徐々に増えきたのです。
娘のクラスでは国語の授業時に毎回漢字の20問テストがありました。
それは“黒板に先生が書いた問題(ひらがな)を、無地の紙に漢字で書く”という形式のテストで、板書が苦手な娘には二重の苦しみでした。
また、学期ごとに50問の漢字テストがあり、こちらは一定の得点が取れるまで再テストを受け続けることになっていました。
娘は懸命に書き取りの練習するのですが、どれだけ練習しても書くことができない(または少しの期間は覚えていられるけれどちょっと時間がたつと見事に忘れてしまう)漢字がいくつもあり、何度も再テストを受けました。
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練習すれば練習するほど間違えてしまう傾向さえあり…
これは漢字に限ったことではありませんでした。
アルファベットのbとd、pとqはほぼ100%間違えましたし、記号や図形なども家で練習しても“書けば書くほど形が崩れていく”こともしばしばありました。
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精神的に追い詰められる娘。親子関係もギスギスし始めて...
担任の先生からは「お母さん、家庭での学習をもっとさせてください」と言われました。
娘は毎日遅くまで漢字の練習をしましたが、どうしても覚えることができず、精神的に追い詰められていきました。
親子関係もギスギスし始め、家庭での工夫やサポートに限界を感じた私は、民間の支援先を探しました。
専門家のサポートに救われる
幸いにも娘は5年生の時にプロの支援者に出会い、SSTやビジョントレーニングを受けることができました。
トレーニングを受けることで魔法のようにすべての問題が解決するわけではありません。
でもプロフェッショナルの支援者に出会ったおかげで、親や学校の先生が娘の障害を理解し、適切な接し方やアプローチの方法、日々の生活の工夫などについての知識を持つことができたことで、私達親子の生活に一筋の光が差したことは確かです。
専門家のアドバイスのもと、何度もくじけそうになりつつも学校に理解と協力をお願いし、
授業毎の漢字20問テストは
無地だった解答用紙→問題番号と罫線付きの解答用紙にする(クラス全体で変更)
など、本人の負担を軽減する対策をとってもらうことができました。
中学校への引継ぎがスムーズに
娘がこの時期に受けていた専門家の指導や病院での視覚認知機能の検査結果は、その後の中学進学時の引継ぎの際にとても役に立ちました。
娘に適したフォントの大きさも把握できていたので、定期テストの問題用紙や解答用紙の大きさを娘に適したサイズに拡大してもらうなどの配慮を受けることができました。
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この時期の娘は、周りの友達と違うことをとても嫌がっていましたが、このテスト用紙の拡大については「すごく見やすい!」と喜んでいました。
親子で話し合ってみると良いかも!
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これは娘が小学生の時にビジョントレーニング指導を受けていた先生がつくってくださった『計算用のマス目プリント』です。
娘が一番見やすいサイズになっていて、筆算の時に数字を重ねて書いてしまうことによる計算ミスを防ぐことができました。担任の先生に許可をもらい『マイ計算用紙』として学校にも持参していました。
学生の期間は特に“できないことを必死に努力する”よりも、ちよっとした“工夫”や“配慮”で本人の負担を減らすことができるなら、その方が良いと私は思っています。
高学年以上になると支援やサポートの内容や程度は親が勝手に決めるのではなく、本人の希望を聞くことが大切になってきます。
見やすいと感じる文字のサイズや字体の種類、色などもそれぞれ違うので、例えば親子で“フォント”について話をしてみる機会などをつくってみると、意外なこともわかって楽しいかもしれません。
ちなみに現在わが家は、私のプチ老眼の進行によって、娘と私の『見やすい文字サイズ』がシンクロしつつあります(笑)