定型発達の2歳児ができて、自閉症息子にはできなかった5つのこと――預かっているお子さんの成長からの気づき
「いや!いや」と言葉で示すことができる2歳児、できなかった息子
私はいま、ファミリーサポートの仕事で定型発達のお子さんを預かっています。
そこで気づいた、0歳の定型発達児と自閉症のある赤ちゃんとの違いは以前コラムでも書きました。
その中からいくつか抜粋すると…
・親が迎えにくると嬉しそうな顔をする。
・散歩のとき、よその子がいると関心を持つ。(喜んだり、怖がったりどちらかの反応)
・私が手を広げると「抱っこしてほしい」のポーズをとり、手を広げる。
これらは、預かっているお子さんが自然と行い、息子が幼いころはしなかったことです。
先日のコラムでご紹介した以外にも、大きな違いを感じることがあります。そこで今回は、定型発達の2歳児と息子が2歳だったころの違いについて書きたいと思います。
私が「靴下履こう」と言ったら「いや!」、「だったら裸足でいよう」と言うと「いや!」
「公園に行こう」と言ったら「いや!」、「だったらおうちにいよう」と言うと「いや!」
親にとっては自己主張が出てきた辛い嫌々期なのかもしれませんが、これも立派な会話で成長のあかしなのだと思います。
息子には魔の嫌々期はなく、世の中すべてが嫌。言葉で「いや」と言う前に、自傷やパニックを起こす毎日で私は疲労困憊の日々を過ごしていました。
自閉症の息子ができず、定型発達の2歳児が自然とできている5つのことを挙げたいと思います。
Upload By 立石美津子
1、大人の表情を読み取り気持ちを理解する
発達障害がある人には、「検討しておきます」の字面だけとらえて、行動してしまうことがあります。言葉だけでなく、その場の空気、相手の声のトーンや顔つきを見て、断りなのか、歓迎なのか判断できないで、トラブルが起きがちです。
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成人した息子も、相手が嫌がっている素振りをしているのに、それが理解できずに、しつこくしてしまうことが今でもあります。
それに比べて、目の前の2歳の子は生まれて2年足らずなのにも関わらず…
机の上にのったときや、触ってはならないものを触ったとき、私が言葉ではなく「あれ?あららら?」といつもと違う低い声、いつもと違うゆっくりした話し方で示す、すると大人の表情と声のトーンを即座に読みとって、ばつが悪そうな顔をして、「やっちまったな…」という顔つきをします。