「なぜ爪をむしる?」「どうして暴れた?」自閉症息子、マンションでパニック、苦情まで。でも息子なりの理由があって…
息子に家事手伝いとして役割を与えている「ゴミ捨ての仕事」
息子が特別支援学校高等部の学生だったときの話です。血が滲むくらい手足の爪をむしっていたので、「ばい菌が入るから、止めなさい!」と注意しました。この私の言葉でスイッチが入ってしまい、家の中で暴れました。
パニックを起こしつつも、自閉症のある子の特性なのか、決まった時刻19時46分になったら、マンション地下にあるゴミ捨て場に、ゴミを捨てに玄関から出て行きました。(うちのマンションはゴミ捨て場にはいつ持って行ってもよいことになっています)
いつもなら1分くらいで戻ってくるのに、いつまで経っても帰ってきません。
5分くらい経過したでしょうか?管理人室から、
「息子さんがパニックを起こしています」と連絡がありました。さらに、共用部でパニックを起こしているときに、マンション他の住人の方が通りがかり、苦情も出てしまったとのことでした。
息子には、知的障害のある自閉症があることを管理会社に伝えています。
苦情が出たとき、その住人の方には、私の代わりに息子の障害のことを説明してくれたようです。私からも後に謝罪しました。
パニックには理由があった
でも、こういうことが起こると、しんどいです。精神的に疲れます。「なんで、暴れるの!」と頭にきてしまい、私の方が暴れたくなります。
ところが…
翌日、学校からの連絡帳を見たら職業訓練のための“身だしなみチェック”の項目があり、そこに「爪は短くする」と書いてありました。これで爪をむしっていたことに気づいたのです。 強迫性障害もある息子は真に受け、必要以上にむしっていました。
息子なりの理由があったのです。
それなのに私は「むしったら、ばい菌が入る!」とやみくもに叱ってしまいました。そして、矛盾した指示を受け、混乱した息子はパニックを起こしてしまいました。
学校に電話をして相談
そこで、担任に電話してトラブルの状況を伝えました。
更に「学校からの指示をきちんと守って、爪を短くしようとしていますが、手も足の爪も毎日むしっています。先生からも、この状態はやりすぎであることを、うまく伝えてくださいませんか?」とお願いしてみました。
担任から「全体注意したことを、自分にも当てはめたんですね。『○○㎜は残す』とか『○○㎜になったら切る』では曖昧でわかりにくい指示だったのかもしれません。
なので、学校に爪切りを持ってきてもらい、毎月10日・20日・30日に切る方法ではどうでしょうか」と提案がありました。
そして、翌日。帰宅した息子が持ち帰ってきた連絡帳には次のように書いてありました。
「昼休みに担任と一緒に爪切りをしました。まだ自分では切らず、担任と一緒に切りました。切る必要のない爪の長さも確認しました。繰り返し確認することで自分で切らなくてもよい長さがわかってくると思います」
キメ細かくて、有難いと感じました。
人の行動には必ず理由があります。
頭ごなしに注意しないで「なぜそれをするのか」を考えなくてはなりません。「私はまだまだ修行が足りないな!」と思った出来事でした。
執筆/立石美津子
(監修:井上先生より)このエピソードのように、長年子育てをしていても、子どものパニックの原因については分からないこともあると思います。特にその原因となる出来事が、時間的に離れていると気づきにくいものです。
爪噛みに関しては、感覚過敏や暇つぶしで続けてしまっているお子さんもいます。それぞれの行動が起こりやすい状況を振り返りながら、個々の原因に応じた支援を考えていくことが大切です。
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