2021年9月12日 14:15
私はマウントの道具でライバル――加害意識のない加害に苦しんで。「今に成績が落ちる」と嘲笑、「ママ友に自慢できなかったじゃない」とがっかりされた思春期
いじめに対する本人による牽制としては効果的だったかもしれませんが、私は代わりに孤独を深めていったのでした。
小説の出版については、「当時から宇樹さんの文章力には、みんなが一目置いていたのだろう」「悔しさを努力に向けて本当に小説を書いたのは立派」といったコメントをいただいたこともあります。
ちょっと報われたような気もしましたが、私としては、単にあのとき私を「一人で勇敢に戦う孤独」から救い出してくれる優しい誰かの手が欲しかったなと思うばかりです。
いじめを懸念し中学受験、「今に成績が落ちる」と嫉妬する母
私は私立の中高一貫進学校に進学することになりました。「このまま地元の公立校に進むと義子はいじめ殺されるかいじめを苦に自殺する、私立にやってくれ」と、兄が両親に頼み込んでくれたおかげです。
好成績を活かして推薦で進学できた私。塾には6年生のときに1年弱通っただけでした。父は私に「うちみたいに塾代や学費をポンと出せるところはそうそうないんだぞ」と小言を言いつつうれしそうで、素直すぎた当時の私にはちょっと意味がわかりませんでしたが、いま思えば父は私の好成績と自らの高収入が誇らしかったのでしょう。
進学した中学校は優秀なお嬢さまたちが集まるところでした。「小学校のときと違って努力しないといけないよ、あなたは真ん中くらいかもしれない」と言われましたが、最初の定期テストで私は学年トップクラス。
母はこれを見て「最初だからよ。次には順位が落ちるはず」と笑いながら言いました。でも次にもトップクラスをとる私。それを見て「次には落ちる、きっと次には」と言い続ける母。まるで私の成績が落ちることを望んでいるかのようでした。
何度もそのやりとりを繰り返して、そのうち私の成績が落ちないことを悟ったのか、今度はついに、私の成績がいいことに関して嫌味を言うようになりました。
「勉強ができればそれでいいと思うな」「あなたは頭はいいかもしれないけど人間力が足りない」などといったことを言い連ねるのです。
娘はライバルでトロフィー
母は私に成績を落としてほしいのかと思いきや、どうもそういう単純な話でもなさそうでした。彼女は私の成績の良さに嫌味を言う一方、私が周囲から褒められたり賞をとったりするとすごく嬉しそうにするのです。ある授業参観の日、母は私に文句を言われました。
「家庭科で縫ったエプロンが廊下に張り出されてないじゃない。