2021年9月24日 06:15
数学と歴史で泣き、国語と英語に笑った中学時代。伝説的成績だったASDの私の「辞書を読む」勉強法
腑に落ちて学べる方法を得たことで、もっとも得意で好きな科目へ
言語理解能力が高い一方で理屈抜きに丸暗記することが苦手な私にとって、勉強のモチベーションを上げるコツは「情報を理屈やイメージで絡めて腑に落とす」ことでした。
理屈を理解する。イメージを喚起する。それらで知的興奮を刺激し、知識に触れることを苦痛なことではなく楽しいことにする。私の場合、その科目を勉強すること自体が楽しい状態になれば「なんで◯◯なんて勉強しなきゃいけないの?」などといった苛立ち混じりの問いが口をついて出てくることもなくなります。
辞書や図鑑に「こだわる」子を放っておいたらそれにしか興味を持たなくなってしまうのでは? と不安に思う保護者の人もいるかもしれません。ASD児であった私の個人的意見ですが、その子の興味が向くことをやめさせずに、没頭させてあげてほしいなと思います。
辞書や図鑑を開いて理屈やイメージの世界で遊ぶのは、私にとって生きるうえでの大きな喜びでした。
私はたぶん、辞書や図鑑と遊びながら、定型発達の子どもが友達と外で駆け回って遊ぶのと同じような喜びと輝きをつぶさに体感していました。幼いころから周囲になじめず生きづらかった私には、そうした内的世界の豊かさは、生きるうえでの不可欠な支えでした。
あと、オタク的気質のある私が感じるのは、何かにこだわって突き詰める性質は、よくも悪くも教育ではどうにもならないということです。その子の生まれ持った興味の方向性や能力バランスによって、オタクにならない子はどうやってもならないし、なる子はどうやってもわが道を行くのだろうと思います、私のように笑。
その子が大人になったとき、その豊かな内的世界を資源として楽しみながら生きていけるなら、素晴らしいことだと思います。私は今、オタクで幸せですよ。
文/宇樹義子
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