2021年12月5日 14:15
発達障害がある小2息子は不登校。得意もあるし、学習面も大丈夫そうだけど…将来はどうする?――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!
将来をどう考えておけばいいの?
ウチノコ(以下、――):息子のように、自閉スペクトラム症やADHDの診断はあるけれど学習面での困難さをそこまで抱えていない子は、将来の進路は一般就労に向かっていくと考えていたらいいのでしょうか?
Upload By ウチノコ
三木先生:そうですね、僕は知的な能力が高ければ一般就労を目指していけばいいと思っています。知的障害がある場合は一般就労では難しいケースもありますが、発達障害のある子は環境にフィットして、自分で自分の機嫌がとれさえすれば、凸凹はあっても能力に問題があるわけではないですからね。息子君も、【得意】と【不得意】の差は大きいかと思うのですが【得意】でどれくらい勝負できるかを探っていくといいと思います。
――得意で勝負ですか…
三木先生:例えば勉強が得意なら、私立の進学校なんてどうでしょうか?
――それは…既に不登校を選んでいるので、学校に行かない場合の私立の授業料を考えてしまって(苦笑)
三木先生:でも、今彼が学校に行かない理由の周りのがやがやした騒がしさが嫌だとか、授業中の待ち時間が嫌だとか、そういったものが解消できる環境なら案外合うかもしれませんよ? 私立の男子校の中には、息子君と同じような特性のある子も意外と多いのではないかと思います。理解のある学校であれば、落ち着けるような環境をつくってくれるかもしれませんよね。
Upload By ウチノコ
――そうかもしれませんね!
三木先生:息子君の場合、勉強も進路も本人に合っていれば楽しく取り組めて、ご機嫌で過ごせるでしょう? ご機嫌でいられると、易刺激性や感覚過敏なんかもそこまで顕著に出ないんですよね。
当然、程度にはよりますが、今までは無理だった環境下でも過ごせるようになったりね。合う合わないはあるだろうけど、進路として検討してみてもいいのかもしれないと思います。
それに、そもそも大人に近くなってくると感覚過敏なんかは今より軽減されるというか、丸まってくるものなんですよね。加えて、認知的な理解でもコントロールできるようになってきます。
例えば、急によく分からない水の音が聞こえてきたら気持ち悪い。だけど何の音なのか確認して理由が分かれば気にならなくなるじゃないですか。感覚ってある程度までは認知で調整することができるものなんです。
だから成長して見える範囲が広がる、理解できることが増えて理解の深さも出てくれば、おのずと今しんどさのある音などへの過敏やこだわりなんかも多少軽減されてくるだろう。