2021年10月26日 14:15
3日間行方不明!150キロ先で補導。「親なきあと」を考え施設入所を検討し始めた、重度自閉症の兄の脱走事件
ただただ見つかることを祈って警察からの連絡を待っていました。
次の日になりました。母は不安を口には出さずいつも通りに過ごしていましたが、きっと同じような気持ちだっただろうと思います。
■1日経ち、2日経ち…3日目の深夜に警察から電話が
もしかすると誰かに連れて行かれたのではないか?飲まず食わずでどこかで倒れているのではないか?
はたまた…最悪な想像が脳裏に浮かびます。
そしてついに3日目の深夜1時ごろ、自宅に警察からの電話が。
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一一兄は無事でした。
私はそのとき寝ていたので朝になって兄が帰ってきていることに気がついたのですが、あとになって詳細を知りました。
重度心身障害のある兄は、3日間も何をしていた?
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脱走した日、兄は自宅の最寄り駅が目に飛び込むと、そのまま改札に入る人の後ろにくっついて、電車に乗り込んでしまったようです。もしかしたら移動中、居合わせた人に声をかけられたりしたのかもしれません。ですが、兄は知らない人から声をかけられると走って逃げてしまう特性があります。普段から散歩で鍛えられていたため、走るのが速く、追いかけて捕まえることは難しいだろうと容易に想像がつきます。
そして電車の乗り降りを繰り返し繰り返し…ついに自宅のある大阪府の南部から、150kmも離れた滋賀県の湖東地方(琵琶湖の近く)でようやく補導されたようでした。どこで寝泊まりをしていたのかまでは結局分かりませんでしたし、いろいろな人に迷惑をかけてしまいましたが、見つかった現場は琵琶湖が近いこともあり…とにかく無事だったという事実だけでも幸いです。
母はさっそく一緒に対応してくれた叔母(母の妹)に「無事に見つかった」と電話をし、そのあと仕事から帰って眠っていた父を起こし、叔母の運転する車で滋賀県の警察署に向かいました。
こうしてようやく丸3日ぶりに兄と再会することができました。父と母は警察署の職員さんに、「命の危険があるのだから」と、お灸をすえられたようでした。
同行した叔母は、帰りの道中で「二度とあってはならないことだ」と、兄を含め父と母三人に対して強く叱ったと後日聞きました。
知的障害のある兄の命を守ることの大変さ
ある程度の知能がある人なら「やっていいこと、いけないこと」の判断がつきますし、「お母さんが心配するから一人で外に出てはいけない」