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「もう参加したくない」楽しみだった保育園行事、発達グレー息子の行動に周りの目が気になって…

LITALICO発達ナビ

保育園で開催された生活発表会で


しのくん2歳10ヶ月のころ、保育園で開催された生活発表会で劇をしました。劇が始まって、私はしのくんの登場を楽しみに、ドキドキしながらカメラを構えて待っていました。

ところが…

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しのくんは、登場するなり保護者席のほうへ走りだしてしまいます。そして、演技もしないでそのまま退場してしまいました…。

同じクラスのお友達は、みんなきちんと劇に参加しています。セリフを言って、演技もして、最後は上手に歌も歌っていました。私は、同じクラスのお友達との違いに衝撃を受けました…。例え退場してなかったとしても、しのくんはセリフを言うこともできなければ、演技もできず、歌も歌うことができなかっただろうと思いました。


私は、しのくんに「発達の遅れ」があると分かってから、知らず知らずのうちに、ほかの子にできて、しのくんのできないところばかり探していたんだと思います。このとき、今までだったら気にしないでこれた「ほかの子との差」をとても深刻に感じてしまいました。

そして、周りの保護者の目も気になりはじめ…

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実際にこっちを見ているパパやママを見たわけではありません。今思えば私の被害妄想が暴走して、そんな気がしてしまっただけだったと思います。しかし当時の私には、このとき、みんながこっちを見ていて、みんながしのくんのことを「なんでできないの?」と思っているんじゃないか?と疑心暗鬼になってしまい、勝手に一人で悲しくなっていました。

悲しくなって、初めて「保育園の行事に参加したくないな」と感じた瞬間でした。

そして、劇が終わった帰りの廊下でも…

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先生方が口々に「しのくん!頑張ったね!」と声をかけてくださいました。しのくんは笑顔でとても満足そうだったのに、私の心の中は違いました…。


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せっかく先生方が声をかけてくださっているのに、私は心の中で「何もしてませんけどね」と思ってしまって、早く立ち去りたくてしょうがありませんでした…。帰りの廊下がひどく長く感じました。

【あとがき】


当時の私は、ほかの子と比べてしまって、「しのくんは、あれもできないこれもできない…どうしよう⁉︎」と頭がいっぱいでした。しかし、あれから一年経った現在は、しのくんの「できないところ」ではなく、「できるところ」を見られるようになって、勝手に思い込んで勝手に悲しむということはなくなりました。

それに、しのくんの様子を見ていると、先生方から本当に可愛がってもらっているのを感じますし、クラスの子とも仲良くしていると担任の先生から教えてもらって、今では、母子共々、保育園の行事を楽しんで参加しています。もちろん、今でもほかの子と比べてしまってショックを受けることも少なからずありますが、しのくんにはしのくんのペースがあるので、それに寄り添って一緒に歩いていこうと思います。

執筆/keiko

(監修:井上先生より)
園の行事でお子さんが思ったように演技ができなかったり、逸脱してしまったりということを見るのは保護者としてつらいことだと思います。また一方で、お子さんの「頑張ったよ」という誇らしげな表情をみると、よけいにつらくなってしまったのかもしれません。


園の先生が「頑張ったね」と声をかけてくれるのは、純粋にそんな子どもの達成感に寄り添ってくれているのだと思いますが、そのときの自分としてそれが素直に受け入れられない気持ちが生じてくるのは当然だと思います。

周りからの目が気になってしまうという親の視点から、純粋にお子さんの視点に立ってみれるようになるには、多くの時間と勇気が必要であったのではないでしょうか。きっと周りのさまざまな先生方やご家族や友人の寄り添いの存在があってkeikoさんが今の思いに至られたのだと思いました。

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