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睡眠障害のあるASD娘、高校受験を前に投薬開始!「眠れるけど起きる時間は…」本人の下した決断、そして進路は

LITALICO発達ナビ

不登校の中3娘、受験よりも心配なことは…


うちの娘いっちゃん(ASD・中3)は、睡眠障害があり決まった時間に起きることができません。できれば進学したいという希望を持っているので、家庭での学習も(少しは)やりながら、絵の塾のようなところにも行っています。でも、テストより心配なのは「学校に受かったとして通えるか」ということなのです。

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Upload By 寺島ヒロ

睡眠障害の改善のため服薬を


実は全日制の高校に通う可能性も考えて、睡眠を朝方に安定させるべく、今年の4月ぐらいから投薬治療を始めていました。

同い年の子と比べても小柄ないっちゃん、薬での治療は不安でしたが、「最近はいい薬が出てるので」と朗らかに言う医師の指導のもと、最初はロゼレム錠という自然な眠気を強化する薬を半錠飲み始めました。1ヶ月ほど飲み続けた後、医師と相談し1錠に増やしました。が、3ヶ月経ってもはっきりとし改善された様子は見られませんでした。

さらに薬を増やしても改善せず…


元々自然に眠くなる時間がずれているので、眠気のない時間に飲んでも眠れないのではないかと、再び医師と相談し、今度はデエビゴ錠というもう少し即効性がある薬を夜の10時ごろに重ねて飲むことにしました。
これは飲むと20分ほどで眠くなるので、希望の時間に眠れるのは眠れるのですが、なんと起きる時間は「本人が本来起きるはずだった時間」になってしまうのです。

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※薬の効果には個人差があります。詳しくは医師にご相談ください。

10月ごろにはこれ以上は薬を増やしても、今は早急に結果が出ることはないだろう…という雰囲気が濃厚になってきました。医師も「まだ受験までには半年あるけど、どうしましょうかね…」と歯切れが悪くなってきました。

いっちゃんの決断!


薬は規定上はまだ増やすことはできるようでした。しかし、いっちゃんはこれを拒否。「薬を飲むと使える時間が減る!」と言うのです。


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医師の先生の言うとおり、来年の春までにまだ時間はあります。まだ睡眠が改善する余地はあるのかもしれない…。
でも…。

来年の春からの学校生活も大事ですが、今も大事です。半年の間にいっちゃんが何枚の絵を描くことができ、どれだけの曲をつくれるのか…と考えると、14歳の半年間がとってももったいなく感じられてきました。

結局、来年の春までになんとかというのはやめて、薬はデエビゴ錠のみにし「今日は用があるので絶対起きたい!」というときだけ、起きたい時間の9時間前に飲んでなんとかするというように方針を切り替えました。

根本的な解決は見えていないけど…


朝起きられるようにはならなかったけど、薬を飲むことでいっちゃんは自分の眠りのペースを掴むことができてきたようです。高校選びも、今までは「母さんがいいと思う学校でいいよ」と言っていたのですが、自分でネットで調べたりするようになりました。


改めて通信制の学校をチョイス「ここ受けたい!」


そんな娘が選んだのは、関東に本校がある高校のオンラインコース。一人でも勉強や創作に取り組むことができるいっちゃんには合っているかもしれません。ネットで調べたところ、定員に達したら募集終了になる可能性があるとのことだったので、娘から希望を聞いてすぐに願書を取り寄せ、提出しました。

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結果は合格!
選考基準が分からなかったので心配していましたが、なんとか進学の目処がつきました!

余談ですが、結果発表は選考完了予定日の夕方5時ちょうどにメールで届きました。通信制の学校ということでネットを活用しているとは聞いていましたが、私が学生だった時代には学校まで掲示板を見にいってましたので(昭和っぽい?)、なんだかすごく便利になってびっくりしましたね!デジタル化が進むことで、学び方や学校のあり方も変わってくるのかもしれないなあと思いました。

執筆/寺島ヒロ

(監修:鈴木先生より)睡眠障害の場合、一般的に精神科医は睡眠薬を処方しますが、小児科医は初めから睡眠薬を処方することはほぼありません。まずは、早く起こして朝陽を浴びさせて体内時計をリセットし、日中の活動性を高めることから始めます。朝起きが不良の場合、小児科医ならまず起立性調節障害を疑います。
ほかの症状として頭痛・車酔い・立ちくらみなどもあり、親からの遺伝性もみられます。15分ほどの起立テストで血圧・脈・心電図を測定することで大体分かります。治療としてはミドドリンというお薬で目覚めはよくなります。また、16歳未満の自閉スペクトラム症に伴う入眠困難の場合は、メラトベルというお薬を内服することで入眠時間を早めることもできます。

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