ASDの小2息子が涙まじりに「学校変えて」。友達トラブルを担任の先生へ相談してみると…
「学校変えて」と涙のミミ
ミミは、小学2年生。その日、暗い表情で帰宅したミミは私のところに来て「あのね、まだ誰にも言ってないの」と話し始めました。「学校変えて」と涙を流しながら言うミミ。私は「そんなにすぐは変えられないけど、学校を変えたいくらい悲しいことがあったのね」となだめました。
ミミによると、クラスメイトのE君が突然ボールを投げてきたとのこと。2回ボールをぶつけられ、E君は笑い、ミミは泣いたそう。学校の校庭での出来事ではあるけれど、放課後ということもありミミは、先生にも誰にもこのことを話さずに帰ってきたそうです。
E君とは以前、ミミがパンチの打ち合いに誘われて断ったのに一方的にパンチされた、という話を聞いたことがありました。
それから日が浅いので、もしかしてミミはときどきからかわれているのかも?と、ちょっと心配になりました。
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小さい揉めごとなんて日常茶飯事と分かっていても、大きなことになる前に先生に出来事を伝えようと思い、いつ・どこで・誰と、など具体的に紙に書き、「2人のことを少し気にかけてほしい」と要望も書いてみました。翌朝、ミミに「ボールの件を先生に伝えようと思うけどどう思う?伝えていい?」と聞くと、伝えてほしいと言ったので、授業前にその紙を先生に渡しました。
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夕方(ミミが帰宅する前)担任の先生から私のところに電話があり、それぞれの子ども(ミミ、E君、見ていた子)に聞き取りをした内容を報告してくれました。
E君はミミにボールをぶつけたことを正直に答えてくれて、ミミに謝りたいと思っているということ。先生はそのことをミミに伝えたが、ミミは頑なに拒否したこと。先生は、「今すぐ無理に仲良くする必要はないけど、授業で関わらないというのはナシにしよう」とミミと話したことを教えてくださいました。
先生が素早く丁寧に対応してくれたことに感動しました!
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いつもは1人帰りのミミですが、少し心配だったので、先生からの電話のあと学童にミミを迎えに行きました。
するとミミは、E君も一緒に8人くらいの子どもたちで遊んでいました。二人に積極的な関わり合いはないようでしたが、E君と一緒の輪の中で遊んでいて私は拍子抜け。学童の職員さんにも今回の事情を話し今日の様子を聞いてみましたが、学童での二人の間に特に問題はなかったようでした。
帰りに「E君と遊ぶの嫌じゃないの?」と聞くと「そうでもなくなった」とミミは言いました。先生に悲しかった気持ちなどを聞いてもらえて落ち着いたのかもしれません。
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ミミが話をしてくれた日、「ボールをぶつけられて嫌だったことを教えてくれてありがとうね、私は何があってもミミの味方だからね」と伝えていました。
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これからもお友達とのことで悲しくなってしまうこともあるかもしれないけど、自分気持ちを話せるようになったこと、環境をいきなり変えるのではなくお友達とのやりとりの中で「まあ、いいか」と思えるようになったことにミミの成長を感じた出来事でした。
執筆/taeko
(監修:鈴木先生より)
一般に神経発達症(発達障害)のお子さんは嫌なことがあると我慢して慣れようとはせずにその状況から離れるという選択をすることが多いのです。
大人は職場を変えることができますが、子どもは学校を簡単には変えられません。そして、担任や周りの友人の理解がない場合、自分に嫌なことがあったり思い通りにいかなかったりしたことが続くと、登校渋りから不登校になってしまうケースがよくあります。ただ、今回のケースのように先生が丁寧に素早く対応してくれれば問題がすぐに解決することがあります。大事なのは親も教員もお子さんの話に耳を傾け、親と教員とでよく話し合うことではないでしょうか。