「伝えてよかった?」場面緘黙の次女へ小2での告知。2年たった今、娘に当時の気持ちを聞いてみると
場面緘黙かもと次女に伝えることは特に悩まなかった
次女が小学校1年生のときに、話せない様子を見て場面緘黙を疑い学校に相談、スクールカウンセラーにも「場面緘黙かもしれない」と言われていました。
学校でずっと話せない次女。その姿を見ていて一番心配していたのは、次女自身が「話せないなんて、私ってダメだな…」と自分自身を責めて、自信を失ってしまうのではないかということ。
「話せないこと」はもちろん本人にとってはとてもつらく苦しい大きな事実ですが、それは次女自身の一部であって、それがすべてではないことを知ってほしいと思っていました。
すべて自分自身のせいではなくて、そういう病気があって、助けが必要なこともあるし、実際改善している人も居ると知ることは、本人が暗中模索の中で場面緘黙と共に過ごしていく中での道しるべになると思いました。なので、本人に言うか言わないかは特に悩むことなく、「場面緘黙について正しい知識をつけてほしい」という気持ちで、本人に伝えることにしました。
実際にどう伝えたか
次女が小学校2年生になり、病院を受診する前には本人に場面緘黙について話していました。私自身、説明が下手だしうまく伝えられる自信も無かったので、子ども向けに場面緘黙について書かれている本を長女と次女と一緒に読むことに。
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次女の反応はどうだったか
私が説明しながら、3人で本を読み進めるといった感じでした。次女より、長女の方が興味深く見ていた気がします。
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次女自身は「なんでか分からないけど学校で話せない」ということは自覚していたので、「ほかにもこういう人いるんだね?」と、本の説明から話せない理由については少し理解してくれたかなという感じがしました。
その後もその本は手が届くところに置いておいて、たまに引っ張り出して見ていました。まだ小学校2年生だったので完全に理解したという感じではありませんでしたが、「自分が話せないのは場面緘黙というもので、そういう人も世の中にはいる」程度の理解はできたのかな?と思いました。
「場面緘黙」って知ってよかった?
あのころは伝えるのが当たり前くらいで迷いなく次女に場面緘黙について伝えましたが、今思うと「本当にそれで良かったのかな」という気持ちもわいてきました。そこで、次女に直接聞いてみました。
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こんな反応でした。
次女にとっては、「病気については嫌だけど、聞いておいてよかった」という感じのようでした。告知することを迷わずに伝えてしまったけど、わが家の場合は、結果として言って良かったようです。私から見ても次女が、場面緘黙に対して、そして自分自身に関しても、少し客観的な視点で見られるようになったかなという気がしています。
執筆/まりまり
(監修:井上先生より)
告知に対して悩まなかったとは言え、子どもへ告知をすることは親御さん自身にも勇気がいることです。タイミングや伝え方の工夫などもされ、がんばって伝えましたね。次女ちゃんの理解にも繋がり良かったです。
「告知は何歳位までにしなければならないでしょうか」という質問をよくもらいますが、適切なタイミングはお子さん一人ひとりで違います。まりまりさんの体験のように、きょうだい一緒の方がいいか、時期や場面をずらして伝えた方がいいかなども大きな課題です。
告知をする前の条件としては、お子さんの好きなことや得意なこと、そして苦手なことがあることを親子で共有・理解できていることが重要です。告知をする前に親御さんが、診断に関する適切な知識を身につけておくことも必要です。また一度で理解できない場合も多いので何度かに分けて理解しやすいように伝えていくいくことが大切かと思います。