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小2発達障害むっくんの「聴覚過敏でぐったり」を防止せよ!音を減らすアイテムと環境づくり、わが家で実践している6つの工夫

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聴覚過敏の指摘


聴覚過敏とは感覚過敏の一つで耳に入ってくる環境音に対して、不快感や苦痛をともなう状態を指します。むっくんが聴覚過敏を指摘されたのは診断を受けた3歳半のころでした。それまで音によく反応する耳のいい子だなとは思っていましたが、耳をおさえたり音を嫌だと訴えたりすることはなく音でつらい思いをしているなんて考えたことはありませんでした。だけど、音と癇癪を記録してみると音に晒されると過度に疲労してしまうようで、いつも以上に癇癪を起こしがちになっていたことが分かりました。

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むっくんの苦手な音


むっくんは大きな音や特定の音が苦手というよりは、人の会話に長時間晒されることをつらく感じるようです。自分に関係のない周囲の人の会話を次々と聞き取り脳内で理解し反応するため、それが長時間になると疲れ果ててしまうのです。また、怒りを含んだ声なども全て自分に向けらているように受け取りがちで、関係ない時も必要以上に恐怖を感じてしまいます。また、むっくんの音に対する反応は不安感の強さや体調によって変化するようで、不安や緊張を感じていたり疲れや眠気があったりするといつも以上に音に過敏になりストレスを感じるようです。


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音を減らす工夫


4歳のころに21db程度の遮音性のあるイヤーマフを購入しましたが好んで使うことはなく「イヤーマフで音が聞こえにくくなることも不安だ」と訴えていました。生まれ持って音を聞き取りやすい特性があるため、暮らしの中で聴覚情報に頼る場面が多いからではないかと感じています。ただ、弟が泣くと自分からつけることもあり一定の効果はあるのだと思います。

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イヤーマフで音が小さくなることが不安だけど、音をつらく感じるときは遮音性の低い耳栓を好んでつけています。私が付けてもさほど変化を感じませんが、本人は「ないのとあるのは違う、あると安心できる」と話します。外出時は耳栓を好むことが多いのでカバンに常備していますが、イヤーマフよりも持ち歩きやすいので助かっています。6歳のときに買いましたがイヤーマフと同様にあまりつけることはありませんでした。ところが、8歳になった今はヘッドホンをつけて好きな曲をかけながら自宅学習しています。
普段なら気になってしまう周囲の雑音が聞こえないので学習に集中しやすいと話しています。高額なため購入時に家電量販店の店員さんに相談しましたが、その方が聴覚過敏をご存じでその上で商品説明をしてくださって。それがとても嬉しかったことを覚えています。

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音の少ない環境づくり


むっくんは長時間音に晒されると疲れるので、テレビを長時間つけないなど音の少ない暮らしを心がけています。小学生になり自室をつくったことで、家族の生活音に疲れたら自分から部屋へ行き静かに過ごす様子も見られるようになりました。また、音に晒される時間が2時間を超えてくると疲れて自制が難しくなる傾向があるので、外出や友達と遊ぶ時間などは2時間を目安にするなど疲れすぎないように計画的に過ごしています。

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むっくんは人が多いところ苦手なため一緒に出かけるときはできるだけ人の少ない場所や時間帯を狙い、買い物などは30分~1時間くらいで終える努力をしています。また、外出はできるだけ車を使います。
というのも、車は静かな個室になるのでどこへ行ってもすぐに休むことができるからです。

集団生活はやはりつらいようで、周りがうるさくてやりたいことに集中できないと訴えていました。少しでも楽になるように集団生活の場にはイヤーマフや耳栓を持っていきました。また、むっくんは園時代に声の大きい友達を過度に怖がり他害に至ることもあったため、保育所等訪問支援をしていただいた専門家から「声の大きい子とは別のクラスにしたり席を離す」「教室が騒がしいときは別室で休める」などの配慮を行い安心できるようにしてあげてとのアドバイスを受けたこともあります。

小学校ではむっくんは特別支援学級を選択しましたが、これも音を意識した部分が大きいです。特別支援学級は通常学級よりも人数が少ないので音も少なくてすみますし、音に疲れたときに休むスペースが確保しやすいのです。現在は不登校を選んでいますがそれでもときどき学校に行けるのは特別支援学級だからだと感じています。

音に敏感なことは強みにもなる


感覚過敏と聞くとデメリットが浮かびやすいかもしれませんが、一方でむっくんは耳からの情報だけで学ぶことが得意で聴覚情報を使った学習に強い人だなぁと感じています。
英語の発音などの聞き取りも得意で、調子がいいときは複数の人の会話を同時に聞き取り理解できることもあるようです。こういった部分はむっくんの人生を豊かにする力を秘めているように感じています。

今はまだ聴覚過敏との付き合い方を模索している途中ですが、さまざまなツールの力を借り環境を整えながら持って生まれた聴覚の力と上手に付き合って生きていけたらと思っています。

執筆/ウチノコ

(監修:初川先生より)
冒頭「音と癇癪を記録してみると」が、まず素晴らしいですね…!保護者の方の感覚として、“こういうときはこんな風になる気がする”という法則性ももちろん大切ですが、そこに客観的に見てみるために記録をつけられたのですね。自分の感触の裏づけ、予想との違いなど、さまざま気づくことができるので記録をつけてみるのはおすすめです。

聴覚過敏に限らず感覚過敏は一般的に、本人のコンディションによって、特に不安によって増悪することが研究からもここ最近指摘されているところです。コンディションがよくないときには、いつも以上に過敏になってしまう面はその通りです。
そして、聴覚過敏とうまく付き合うためのツールとしてのイヤーマフなどを試してみたことの詳細も、同じように悩む親子の方にとって、とても参考になりますね。
もちろんどれを好み、使っていくかはその子次第ですが、情報として知っておくと導入しやすくなりますね。

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