おっとりASD息子は癇癪がない?逆に心配していたけれど…3歳になってイヤイヤ期で大騒ぎ!4歳になる今は
癇癪がない?
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昨年末に自閉スペクトラム症の診断を受けた息子リュウ(3歳)。今までひどい癇癪やパニックがない、おっとり鈍感タイプだ。友人たちにも「リュウちゃんは本当におっとりしてて優しいよね~」とよく言われる。
叱っても泣くのを我慢することがあったり、泣いていてもそんなに長時間泣くことはなく親の私でも驚くほど切り替えが早い。人見知りや場所見知りで困ったこともほとんどない。こう言うとすごい楽な子じゃん!と誤解されがちだがそれなりに心配がある。
癇癪などで、嫌な気持ちを今の小さいうちに表現したりすることで気持ちの切り替えや伝え方などを学んでいくと聞く。「小さいうちに体験して学んでおかないと、大人になって力が強くなってから思い通りにいかなくて暴れたりするとママの力じゃ抑えられないから今癇癪がある方がいいんだよ」と言われたことがある。
息子はすでによく食べるお陰で年齢よりも大きく成長している、親戚中から将来はお相撲さんかな〜⁇と言われるくらい。これで将来手がつけられない癇癪などされたらたまったもんじゃない。
息子が診断される前の私の中の自閉スペクトラム症のイメージが「癇癪、こだわりが強い、多動」などがあった。2歳ごろのリュウは癇癪とこだわりがあまりないが多動ではあった。静かに移動するので外で本当にすぐ見失う。私が買い物の棚を見ているほんの一瞬でいなくなるのだ。忍者か。それは保育園でも同じようで公園などでもそろ~っといなくなるらしい。
迎えに行ったときに先生から「静かな多動」といわれて笑ってしまった。
息子はおっとりタイプの性格…そうなると保育園では
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発達障害かもと言われてから初めて支援センターで心理士さんと面談した際、「この子はおとなしいしぼーっとしているタイプの子なので、大人数の保育園などに入れると放置されやすくなるかもしれない。自ら学びを吸収しようと動くタイプでもない、そうなるとこれまで以上に発達が遅くなる危険があるのでちゃんと大人が一緒に関わるようにした方がいい」と言われた。
現在通っている保育園は少人数制で先生の人数も多くよく見てもらえ、息子にとても合っていた。母子家庭ということもあり先生方にもすごく気にしてもらっていたので感謝しかない。2歳児までの保育園なので残念ながら3月で卒業だが、来年度からは、新しい保育園に転園するが、そこでは加配保育士(※)をつけていただけることが決まっている。
※加配保育士とは:障害の診断を受けた子どもを対象に配置される保育士で、子ども2人につき1人を基準として配置されることが一般的。
ついにきたイヤイヤ期(3歳前後)
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おとなしいと思っていた息子だが、徐々に3歳ごろからイヤイヤで大騒ぎするようになった。
バナナを食べると言うのでむいてあげ、黒ずみを見つけたのでそこだけ取ると欠けたバナナが気に入らなくて泣いて投げつけてきたり、パンを食べるときに半分にして渡すと半分にしたことに怒って泣きじゃくったり。お散歩中駅に電車を見にいきたいと道路でひっくりかえって大泣きしたり、スーパーであっちこっち行く息子と買い物ができなくて手をがっちり捕まえると離せと大泣きして転がったり…私も思ったように動けず買いたいものも買えなく、泣きながら帰宅することも多々あった。
療育でのイヤイヤも
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1番大変だったのは2歳9ヶ月ごろ療育に通い出したとき。
最初は週1回通っていた(現在週2回)ので慣れるのに時間がかかったせいもあるかもしれない。行くたびにリトミックに参加したくない、教室から出たいと怒って大泣き、なにも参加できず「この療育に通って何の意味があるんだろう」と毎週ぐったりしていた。
何ヶ月か過ぎたとき、不機嫌に泣いている息子を見てため息をついていると先生に「癇癪とまではいかないけど、ちゃんと自分の嫌なことは嫌って表現できているから大丈夫よ。それに前より『聞く』ことができていますね。これをお片づけしたらそっちのおもちゃ出そうね、とか聞き分けて自分で納得して動くこともできるようになってきているから!」と言ってもらえて安心したことを覚えている。
もうすぐ4歳の息子、最近は…
リュウはもうすぐ4歳になる。スーパーや道端で寝っ転がって泣くことやスーパーであっちこっち行くことも、1年ほどの間で少なくなってきた(日によってはある)。お陰で私が泣きながら買い物から帰宅することもなくなったし、療育でもすべてではないが多少参加できるようになってきた。
先日療育で絵本の読み聞かせ中に座って居られなくて笑いながら逃げ回っている息子にちょっとイライラしていると先生が「でもさ!リュウちゃん変わったよ!最初のころ思い出してみて!ずっとドアのところで泣いてたんだよ!?」と言われてハッとした。一つできるようになるとできなかったことを忘れてしまう。この記事を書くまでイヤイヤで外で泣いて転がっていたことも忘れていて、うちの子大変なときあったっけ…?と考えていたほどだ。
今も大変なことは多いが、少し前を思い出すと成長しているなぁと思える。
執筆/まる
(監修:井上先生より)
癇癪が強いか弱いかというのは、周囲の受け止め方の違いもあったりするので、大きな癇癪がないことに対して過度に気にされる必要はないかと思います。
リュウくんはその理由が比較的はっきりしていますね。そのような場合大人も原因が推測できるので、癇癪の代わりになる周囲に伝わる言葉や行動を教えていくチャンスにしていくこともできると思います。ただ、大人の要求水準が高すぎるとバトルになってしまうので、まるさんのように事前に予告をしたり、100%できなくても25%で良しという行動にしたり(25%ルール)、できている部分ややろうとしている部分に注目してそこを少しずつ増やしていけるようにすると良いと思います。
まるさんの努力によって、リュウくんも少しずつ自分の感情をコントロールしたり、コミュニケーションに置き換えたりすることができてきたのだと思います。