ダウン症がある子どもへの接し方。家では?学校・友人関係のコツは?ーーマンガで学ぶダウン症【医師監修】
ダウン症がある子どもへの接し方
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家での接し方のコツ
ダウン症がある子どもも反抗期を迎えます。最初の反抗期である、「魔の2歳児」と呼ばれる時期は、自分の思いを伝えるための言語能力が発達していない事から起こると言われています。
ダウン症がある子どもは発達が定型発達の子どもにくらべて緩やかなため、3歳ごろから始まり、長く続くケースが多いようです。言葉で説明し、じっくり付き合ってあげるといいでしょう。
https://msdmnls.co/3K3Qarf
[参考リンク] MSD マニュアル | ダウン症候群(21トリソミー)
こだわりが強く、頑固な面もありますが、それを否定するようなことは控えましょう。決まった場所で決まった服を着る、決まった場所に決まったおもちゃをしまう。大人からすると些細なことかもしれませんが、ルーティンな行動やきまりは見通しが持てたり、安心感を得られたりする面もあり、本人にとって大切なことかもしれません。
ダウン症のある子どもも一人ひとり、個性があり、性格も異なります。
症状に応じた対応方法はあるものの、基本的には子どもによって育て方は異なるでしょう。
筋緊張低下を示す傾向があったり、心臓の持病を併発していれば、通常の運動は難しいかもしれませんが、持病がなく、知的障害が軽度であれば日常生活における制限も少ないでしょう。不得意だったりできないこともありますが、好きなことや得意なことを伸ばせるようにしてあげましょう。
学校、学び事のコツ
勉強によって得た知識や技術が、短編的になりやすい傾向があります。せっかく覚えたことも、実際の生活上で応用することが難しく、また、抽象的な説明を理解する事が難しいため、実生活での体験を伴う具体的な学習が必要になります。日常生活のなかで、さまざまな経験ができる機会を設け、学べるよう工夫することも大切です。
各教科を並列的に学習するよりも、子どもの心身の発達段階や障害の程度によって学習内容を決めることも大切です。
また、子どもの実際の生活に役立つ知識や技術、それらを有用に活用する力を身に着けられるようにすることは、将来の生活の質の担保のためにも大切でしょう。
金銭感覚をつけたり、自己管理ができるなど、社会的自立に必要な基礎力を身に着ける学習をするのもよいとされています。
ダウン症のある子どもは筋緊張が低下していることが多く、姿勢が崩れやすいため、学校や家庭での椅子の座り方にも注意が必要です。
足底全体が床にきちんとついていて足首が90度に曲がっていること。そして腰が椅子のうしろについた状態で膝が椅子の端に接した状態で90度に曲がっていること。さらに腕を机の上に出したときに肘が90度に曲がっていることなどが目安になります。その子の足の長さに合った椅子を選ぶことが大切です。
友人関係のコツ
知的な遅れがある子どもがつまずくのは、小学4年生から5年生ごろが多いようです。重度の知的障害がある場合は、小学校入学時から特別支援学級や特別支援学校に通わせるケースが多いですが、軽度であれば通常学級に在籍するケースもあります。
しかし、徐々に通常学級での授業についていくことが困難になっていくことも多いようです。
そんなときに大切なのは、その子のことを理解してくれる友だちです。障害の有無にかかわらず、その子自身の気持ちや特性を理解してくれる友人をつくることが大切です。
同じ環境の友達をつくる最初のきっかけにもなるのが療育です。支援者に相談することで、どう育てたらいいか、どのような環境設定や学習への支援が必要かなどを知る機会にもなります。
ダウン症のある子どもは周囲の人の気持ちを汲み、感受性豊かだといわれています。保護者がイライラしていたり、ストレスを感じているとそれを感じて不安になってしまう子どももいます。
保護者自身が息が詰まらないよう、自分一人だけの時間を持つようにしたり、同じ環境の友達をつくることも大切です。
療育施設は同じ環境の保護者が利用しています。自分自身のコミュニケーションの時間としても活用してみてはいかがでしょう。
できたよ(がんばり)カードの利用
ここで述べてきた、家での接し方・学校での生活や学び方・友人関係などでお子さんが頑張ってできたら、「できたよ(がんばり)カード」をつくり、そのポイントがたまったら好きなところへ連れて行ってあげるようなご褒美をあげても良いかもしれません。
まとめ
ダウン症のある人や子ども、それぞれに性格や性質がさまざまなことはもちろん、生活の様子もさまざまです。子どもの得意なこと、苦手なことなどを知り、悩んだときや情報が欲しいときなどは医療機関や児童相談所、地域の親の会などに相談し、ご家族だけで悩まないことが大切です。
イラスト/かなしろにゃんこ。