祖母から見た「発達障害のある孫と私」の関係。よく観察してるな!驚きと納得
私の母から見た、私(丸山さとこ)とコウの関係は?
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コウを妊娠していた12年前の私は、実家に帰省して出産しました。以降、コウが通う園や学校の長期休暇中は2週間ほど帰省しています。
また、母とはスピーカーモードで通話していることも多く、日常生活での私とコウのやりとりや、そのときどきの様子がリアルタイムで伝わることもしばしばです。そのため、私の母は夫に次いで『私とコウの関係を継続的に見てきた人』と言えるだろうと思います。
今回は、そんな私の母から見た『私(丸山さとこ)とコウの関係』について書いていきます。
私とコウの関係は、母の目にはどう映っているのか
コラムのためにインタビューをしたいのだけれど…と説明した上で「私とコウの関係はお母さんから見てどんな感じ?」と聞くと、「コウは相手のことを、好き嫌いとは別に『信用できるかどうか』って、シビアに査定するところがあるでしょ?だから、さとこはコウから信用を得られるように気をつけて関わっているよね」と母は言いました。
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予想外の角度からの返答に「まずそこからなんだ!?」と驚きました。愛想の良さに隠れて見えにくいコウの一面を(それこそシビアに)よく見ているのだなと思いました。
「具体的にはどういう関わり方についてそう思う?」と聞くと、「安易に約束しないとか、変更は早めに伝えて理由や対応を伝えるとか、コウが理解しやすいように話すとか…」と具体例をあげてくれました。たしかに、それらはコウが幼いころから私が意識しているところです。
また、母は「コウの世界に存在している人間って、ある時期まではさとこだけだったと思う」とも言っていたのですが、これも信用に関わる話かもしれません。「お母さんのことが好きだから」ではなく、『信用できる=情報を取り入れる価値がある=相手を認識する』だったのではないかと思います。
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仮に「お母さんのことが好きだから」が理由だったとしても、一般的な『お母さんが好き』よりは多分もっと淡泊な…『利用価値があるので好き』に近いような感覚だったのではないかな?という印象があります。利用価値という言葉を使うと冷たい響きに聞こえますが、「機能が良い快適なモノへの親しみや好感のような何か」と考えれば、それもまたそれで一つの情なのだろうと思います。
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郷土愛ではないけれど『この街は交通の便もいいし、お店が充実していて病院や市役所も近いので住みやすくて好きだなぁ』と思っている感じの「好き」に近い感覚だったのではないかな~…と、コウが幼かったころを振り返って思う現在の私です。
(今はやや郷土愛寄りの感覚もありそうな気はしますが、いずれにせよコウの内面のことなので謎ですね)
「これまでのコウの話」を共有できる人がいるありがたさ
「コウは本当に『ああ言えばこう言う』だし、大変だよね。
そこに引っかかって進めなくなるからどんどん混乱するし、本人としては喧嘩を売っているつもりはないけどいちいちつっかかる感じになるし。そこを解して、でも全部は世話をせずに様子を見て…ってやっていくのは、かなり手間のかかる子育てをしているなと思う」
…と、最後は労いを込めつつ私とコウの関係について語ってくれた母でした。母自身も帰省や電話などでときどきわが家の子育てに巻き込まれているからか、「大変だよね」の言葉に実感がこもっているのが印象的でした!
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「特に小学校の3年と5年は凄かったよね~」と振り返る母が当たり前に共有してくれている『これまでのコウの話』があることのありがたさを改めて感じた、母から見る『私とコウの関係』の話でした。
執筆/丸山さとこ
(監修:井上先生より)
「郷土愛」というたとえは的を得ていて非常に面白いと思いました。人との関係を築くときに、分かりやすく指示してくれる人というのは、その人との関わりが成功体験にもつながりやすく、ひいてはその人との信頼関係に発展していくのだと思います。また、最近の研究では、祖父母への教育プログラムの効果というものも発表されてきています。祖父母の理解というのが、特に子育てをする母親に与える影響が大きいからだと思います。
日頃の丸山さんとお母さんの良好な関係によって、「丸山さんの子育てを客観的な目でみてもらえる」のと、「自分自身を育てた先輩の親という視点からコメントももらえる」のではないでしょうか。
丸山さんにとってお母さんが子育てのより大切なパートナーになっているような気がします。