2022年5月29日 16:15
日米10人のアール・ブリュット作家による「線」の世界を覗いてみませんか?展覧会「線のしぐさ」東京都渋谷公園通りギャラリーにて開催
10人の作家が織りなす「線」の無限の可能性。多様な表現に触れられる展覧会が開催中!
2022年6月26日(日)まで、展覧会「線のしぐさ」が東京都渋谷公園通りギャラリーにて開催中です!
1974年の設立以来、アメリカの障害のある方々の創作活動を牽引してきたクリエイティブ・グロウス・アート・センターの作家と、日本の作家の作品が一つの空間に集結。ローザンヌのアール・ブリュット・コレクションへの収蔵だけでなく、ニューヨーク近代美術館やパリのポンピドゥー・センターなどに作品が収蔵される作家を含む10名の作品が、「線」をテーマに一堂に会する貴重な機会です。
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なぜ、「線」がテーマとなったのでしょうか。その理由について、本展を企画した担当学芸員は、こう話します。
一本の線は、あるときはひとつの範囲を分け、またあるときは離れたものどうしをつなげます。相反する機能をもつ線は、空間の中で自らをさまざまに変化させ、かたちをつくり、ときには、かたちにならない何ものかを表します。「アール・ブリュット」の作品における線は、しばしば意図や計画とはかけ離れた、即興や偶然の結果とみなされます。
反面、それは、作家の抑えがたい衝動や愛着、それに応じた身体の心地よい動きと離れがたく強く結びついています。そのため、作家のからだと心のしぐさは線にのりうつり、線はしぐさを生むのです。本展では、10人の作家がつむぎ出す線のしぐさをなぞります。
同じ「線」というテーマのもと、日米それぞれの作家の特徴を際立たせた展示に向き合い、そしてそのしぐさをなぞることで作家一人ひとりの内面性まで紐解いていきます。
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ペンや色鉛筆、水彩によるドローイングや木彫、針金を用いた立体作品、糸や毛糸、布を用いたファイバー・アートなど、それぞれの方法で生み出すさまざまな「線」とその表情、しぐさは、多様性の尊さや個性の大切さまでを感じさせてくれます。
アートに興味がある方も、普段アートに触れる機会の少ない方も、この機会に展覧会に行ってみてはいかがでしょうか。
齋藤 裕一(SAITO Yuichi)
埼玉県生まれ。2002年より川口市の「工房集」で活動。
文字を書くことがきっかけとなり、好きなテレビ番組名などを連ねるドローイングへと展開。特定の文字が抽出されることが多く、それらの線が絶えず余白とせめぎ合い緊張関係を保ちながら、濃淡のある層と塊をなしていく。