店員さんの前に立つと固まってしまう、場面緘黙次女の挑戦。「自分でアイスの種類を言ってみる」そびえたつ買い物のハードルに繰り返し挑んで…!
買い物練習を始める
次女は特に学校での緘黙症状が強いのですが、日常生活上でも困っている場面がいくつかありました。そのひとつが買い物で、一人で買い物がどうしてもできませんでした。
というより、買い物の前段階で、「一人で店員さんの前に立つ」というのがまず緊張してしまって「買い物のやりとりをする」という状況までたどり着くことができない…。なので、次女と話しあって、買い物練習をしていくことにしたのでした!
徐々に買い物の練習をしていった結果…
買い物へ行くといつも私のうしろに隠れていた次女。まずは買い物のときに、次女に前に出てきてもらい、商品を次女から店員さんに渡してもらうようにしました。そのあとも次女から店員さんへとお金を渡してもらって…という感じで、レジでの買い物の場に慣れてもらうことにしました。(店員さんとの言葉でのやり取りは私が担当しました)
それができるようになってきたら、今度は次女に支払いをしてもらうことに。次女の場合は、現金でのやり取りより緊張や負担が少ないと考えて、カード式の電子マネーでの支払いを選択。
まずは家で、「電子マネーで!」と言う練習をしてみて、そのあと、一緒にレジまで行って次女に実際言ってもらう。そして私と一緒に、一人で買い物のやり取りをしてもらって、私が徐々に次女から距離を取っていって…。
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という感じで段階を踏み、できたりできなかったりを繰り返しながら、何とか一人で買い物ができるようになったのでした!(ここまで10ヶ月くらい…)
4年生の夏、初めて自分から…
小学校4年生の夏、お店でアイスを買うときのこと。
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次女が「自分でアイスの種類言ってみる!」と、初めて自分から挑戦の意志を提示してきたのでした!
何でこのタイミングだったかは分かりませんが、そのころの次女は周りから見ていても、「最初のころに比べて、気負いなく一人での買い物ができるようになっている」と感じるようになっていました。
そびえたつハードル、繰り返す練習
ただ、選んだアイスが「スペシャルナッツげきうまチョコレート」という感じの長い名前…。自分で選んだものの「やっぱり無理」「長すぎて言えない」と自信を失う次女…。
こういうときに、「完璧に名前を言わないといけない」と考えがちな次女なので、「大丈夫!指差しとチョコレートで伝わるよ!」と話して、長女と一緒に練習してから挑むことにしました。
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こんな感じで、いろいろと教えたりするのが好きな長女なので、文句言わずに手伝ってくれて、5~6回くらい練習してから本番に挑むことにしました。
練習の結果…
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無事に言うことができたのでした…!
初めて自分から挑戦した次女。挑戦の結果、良い成功体験となりました。
そのあと、毎回自分で言えるようになった…と言うわけではなく、次女の調子によってできたりできなかったり、行きつ戻りつ。そんな感じを繰り返しながら、もはや年単位での買い物練習でしたが、小5の今では大きな緊張なく店員さんの前に立てるようになり、自分で簡単な買い物のやり取りができるようになっています。
時間はかかりましたが、こうした成長を嬉しく思う母なのでした。
執筆/まりまり
(監修:井上先生より)
まりまりさんが今回テーマとして挙げていらっしゃるように、場面緘黙のあるお子さんの場合、学校場面だけでなく地域生活のコミュニケーションの中でも困難を感じてしまうことがあると思います。基本的にはシミュレーション(事前練習)をして、自信をつけてあげてから本番に臨むのが良いのですが、シミュレ―ションでできたことが本番でも全てできるとは限りません。まりまりさんがお子さんにレジで練習させておられた「初めは手渡すだけの役」のように最初は発話を入れずに行うなど、スモールステップをより細かくして、成功体験を感じてもらうことが大事だと思います。