愛あるセレクトをしたいママのみかた

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

LITALICO発達ナビ

2歳5ヶ月、発育の遅れの指摘


広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、現在小学6年生。

発達障害の可能性を考え始めたのは、娘が2歳のときでした。定期的に行われていた母子相談に、体重測定だけを目的に、軽い気持ちで行ったら…

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

「2歳5ヶ月で、2語文が出ないのはちょっと…」と声をかけられたことがすべての始まりでした。

それまで、娘の発育が遅いことは気になってはいましたが…

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

何か発育に問題があるのだろうか…いや、そんなわけない!きっと大丈夫!

でもやっぱりおかしいかも…ううん、大人しい子なんだ!と、私の考えは毎日、ころころと変わっていました。

今、当時の娘を見ると…


今思えば、あのときの娘はやはり明らかに、ほかの子どもとは違うと感じるところがありました。

当時の動画を、今見ると…

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

表情がない、目が合わない、意味の分からない宇宙語の独り言、私の言葉に反応しない、クレーン現象など気になる部分がたくさんあり、「なぜ気づかなかったのか!」と過去の自分にツッコミを入れてしまうほど。

しかし、私にとって娘は初めての子どもで、育児も初心者。子どもがどういうもので、どういう成長を遂げていくかということも全く知らなかったのです。


始まったグレーゾーンの日々


娘の発育の遅れを指摘されてから、あれよあれよという間に、私たちは療育コースへ流れていきました。

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

しかし、このときはまだ「発育遅れ」の状態。2歳半だった娘の言語レベルが、1歳半だと言われ、言語とコミュニケーション能力に大きな遅れがあると言われているだけで、診断名はつきませんでした。

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA
この子は、どこにいるのだろう…そのうち定型発達になる、ちょっと発達が遅いだけ?障害はないけれど、少し苦手な部分があるだけ?それとも障害があるの?

自分の娘が、どういう子なのかが分からない状態は、とても不安でした。

発達障害があるのかないのかを考え続け、表情のない娘に話しかける気力を失うこともあったし、待っても待っても、言葉がなかなか出てこないことに悩み、悲観して涙した日もたくさんありました。

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

娘と会話する未来が全く見えず、女の子が産まれたときに「一緒に服を選んで、買い物して、一緒にランチして、女子トークして…」と夢見たことが、一つも叶えられないんじゃないかと思ったこともありました。

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

発達障害が、妊娠中や出産時、育て方が原因ではないと、今は分かります。

でも当時は、どこで間違ってしまったのだろうか…妊娠中、食べたものが悪かった?ストレス?出産時に時間がかかったことが原因?私がなかなか母乳が出なかったから?もっと、接し方に気をつけていれば・・・と、自分を責めて責めて、後悔して後悔して、負の連鎖でした。


もし・・・発達障害があったら、この子はどうなる?生きていける?みんなに愛してもらえる?友達はできる?「発達障害」という言葉は、当時の私には重くのしかかっていました。

やっとついた診断。


それからときが経ち、娘が4歳のときに広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。
診断を受けたとき、私は…

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

「やっと診断名がついた」「よかった」というのが最初の感想でした。

当初は、発達障害があったらどうしよう…発達障害ではありませんように…と考えていましたが、「発育が遅れている」や「グレーゾーン」という場所にいるのは、私にとって、とてもしんどいものでした。

どっちのグループにも属すことができない、道がないようなそんな感じがしていました。あんなに避けたかった診断でしたが、気がついたころには「早く診断名がついてほしい」「道をはっきりさせたい」と思っていました。
2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

自分でも想像していなかった「発達障害」の受け止め方。


診断がついて、7年。今の私にとって、「発達障害」という言葉は、そこまで重いものではありません。
娘を表す一つの言葉で、私にとってはプロフィールのような…血液型や趣味、特技を書くぐらいのもので、違和感はありません。もしかして…発達障害?と、悩んでいた当時の私からしたら、想像のできない姿でしょう。

今の娘は会話もできているし、学校にも通えている。今思えば、あのとき、あんなに悩む必要はなかったのではないかと思ったりもします。でも、悩み苦しんだ日々も含めて、私と娘が二人で積み重ねた経験。わが子に発達障害があるかもしれないと言われたとき、悩み苦しむのは当たり前。あの苦しんだ日々は、私を強くしてくれ、今の私の土台になっているように感じます。

2歳半で2語文なし、目が合わず。でも診断はなくーー娘との未来が見えなかった涙の日々

Upload By SAKURA

今、思春期・反抗期を迎えている娘。
二人で言い争いをすることも、もめてうまくコミュニケーションが取れず、イライラしたり、悩むこともあります。そんなときは、あの日々を思い出し、あのころも頑張れた…きっと大丈夫と自分に言い聞かせています。

執筆/SAKURA

(監修:井上先生より)
発達の遅れを疑われてから診断が出るまでの間は、親御さんにとってさまざまな心配ごとや葛藤に悩まされる時期だったと思います。その時期があったからこそ今があると思えたり、今の悩みや葛藤はあのときと比べるとと思えたり、お子さんが少し大きくなられた今でもさまざまなかたちでかつてのことが思い出されると思います。
当時の気持ちを誰かに伝えたり文章にされたりするのは、ひょっとしたら少しつらい部分もあるかもしれませんが、その体験を語ることがほかの親御さんにとって、とても助けになっていると思います。

提供元の記事

提供:

LITALICO発達ナビ

この記事のキーワード