子どもの不器用さが気になったら。発達性協調運動症(発達性協調運動障害)の相談や支援機関、家庭でのサポート方法など【専門家監修】ーーマンガで学ぶDCD
発達性協調運動症(発達性協調運動障害)について相談できる機関
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子どもの不器用さが気になったら
子どもの運動や動作の不器用さが気になったら、地域に設置されている下記のような施設に相談に行きましょう。
保健センターは市区町村ごとに設置された、地域の健康づくりの場です。保健師さんが常駐しており、子どもの発達に関する悩みの相談を受けてくれます。場合によっては医療機関や療育施設の紹介をしてくれます。
子育て支援センターは子育て家庭の支援に特化している機関です。自治体運営や医療機関に委託運営されており、保健師さんまたは看護師さんが相談に乗ってくれます。中には、療育指導を実施している子育て支援センターもあるので、お近くのセンターに問い合わせてみてください。
発達障害者支援センターは発達障害者支援全般を行っている機関であり、都道府県・政令指定都市やその他法人によって運営されており全国に設置されています。
お近くの発達障害者支援センターは以下のリンクより検索できます。
http://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/
参考:発達障害者支援センター・一覧|国立障害者リハビリテーションセンター
ここでは、相談支援と発達支援などを行っています。相談支援では子どもの相談はもちろん、その様子に応じて医療機関、療育機関の紹介、行政サービスの利用方法を紹介してくれます。発達支援では、医療機関、療育機関との連携を図りながら、家庭での療育方法のアドバイス、発達検査、発達状態に応じた療育計画の作成や具体的な助言をしてくれます。
発達性協調運動症(発達性協調運動障害)への支援を受けられる機関
上記の相談先で医療機関紹介してもらえることもあります。小児専門や発達障害専門の医療機関では療育も行っているところがあります。
上記の相談先で、療育機関を紹介してもらえることも多くあります。療育機関では子どもの成長や自立支援のための、医療、治療、育成、保育、教育を総合的に行っています。
民間の療育機関は保険が適用されないため、各施設により費用はさまざまです。内容や療育に当たる方との相性もあるので、あらかじめ見学に行くことをおすすめします。
発達性協調運動症(発達性協調運動障害)の支援・治療方法
作業療法は、作業(子どもの場合、主に遊び)などをして、複合的な動作をできるようにしていくものです。運動、日常生活、学習などの動作をスムーズに行えるようにするために、基本的な動作に加え、動きと動きの統合が必要な協調運動への支援を行います。
発達性協調運動症のある子どもは、一つひとつの行動の統合が苦手であることが分かっているので、作業療法は障害の改善に効果があるといわれています。
広義には高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
特に運動による理学療法が発達性協調運動症の改善に役立つとされています。別名運動療法ともいわれますが、理学療法に含まれない場合もあり、定義はあいまいです。
理学療法士が行う運動を使った療育では、日常生活で必要な運動、行動を訓練し改善していきます。
家庭でもできること
家庭でもできることは多くあります。家庭でさまざまなサポートを行う場合は、まず、「こうするべき、こうあるべき」という先入観を捨て、子どもと一緒に楽しみながらやることが長続きの秘訣です。
あくまで遊びの中で取り入れ、訓練、という位置づけにしないことも大切です。家庭で見られる困りごとの例としては、以下のような例が挙げられます。
・手先がうまく使えていない
・正しくお箸の使い方を何度も教えたけれど、なかなかお箸をうまく使いこなせない
・服のボタンをうまくはずしたり、かけたりすることができない
・文字を書くときに極端に筆圧が弱い、強い
上記のような困りごとに対して、考えられる不器用さの原因としては、
・手の筋肉の動きをうまく制御できない
・手元に注意が向いてない
・手の動きと視覚の情報の連携が取れていない
などが挙げられます。
これらを踏まえた上で、遊びの中で手で何かを握る経験や、握ったあとの状態を把握する機会を増やすことにより、手の筋肉に入れる力の制御を学ぶことができ、つまむ機能や握る機能が育っていきます。具体的に家庭でできることとしては、以下のような取り組みが一例として考えられます。
・ブランコやアスレチックで遊び、どのくらいの力で自分の体重を支えられるようになるのかを学ぶ。
・コイン遊びを通して、コインを握る、つまむ、入れるという動作を経験する。いろいろな指でコインをつかむことで指の力の入れ加減を学ぶ。
・粘土で遊び、粘土の形を変形させたり、細かい作業を行うことで、感覚の加減を学ぶ
ここで紹介した方法はあくまで一例であり、ほかにもさまざまな方法があります
また、家庭でできるこうした取り組みも、すぐに効果が表れるとは限りません。ゆっくり時間をかけて、楽しみながらやっていきましょう。
ICD-10では「発達性協調運動障害」となっておりましたがICD-11からは「発達性協調運動症」と名称が変更になるため一部表記を併記しております。
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1230040214.pdf
参考:ICD-11における神経発達症候群の診断について