障害がある子どもの就学・進学ガイドブック、ペアトレ入門本や親子でリラックス!ヨガ絵本、チーム支援に役立つABC分析シート解説本まで、気になる5冊をPICKUP!
小学校から高校まで活用できるーー『改訂新版 障がいのある子の就学・進学ガイドブック: 複数の目で子どもを育み共に育ちあう教育へ』
「わが子に合う学びの環境をどう選んだらいいのだろう」と迷ったり、「学校には通い始めたけれど、このままでいいのだろうか」と悩んでいる保護者の方もいるのではないでしょうか。
この本の著者は、特別ニーズ教育・教育行政学を専門とする渡部昭男先生。学校・学級選びをするときに必要な「行政」「法制度」や、それらを活用した実践法を専門家の視点で分かりやすく解説しています。就学を考える場合は順を追って読むと理解が深まり、すでに就学している場合でも、今の学校・学級について見直し、活用することができます。
お子さんに合った教育の環境を整え、のびのびと地域の中で暮らしていくために活用できるあらゆる制度が存在しています。「行政」「法制度」は子ども自身の「学校で学ぶ権利」を守ってくれる大切な事柄です。この本では、その制度について、行政のホームページではどこを読んだらよいのか、QRコードでも紹介しています。お子さんの就学先を決める際に迷ったとき、学校や学級に相談する際にもぜひこの本を手にとってみてください。
早期療法で、新しい一歩を踏み出す!ーー『発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング ー親も保育士も、いつでもはじめられる・すぐに使える』
発達が気になるお子さんを育てる中で、人との関わり方や変化に適応する力をどのように育めばいいのでしょうか。家庭での接し方でできることはないかと考えている方もいるかもしれません。この本では、子どものさまざまな行動特性への早期療育の具体的な方法、ペアレント・トレーニングを取り入れた関わり方など、すぐに実践できる方法を紹介しています。
著者は、小児科医であり金沢こども医療福祉センター・金沢療育園施設長でもある上野良樹先生と金沢こども医療福祉センターの作業療法チーム。実際に療育園で行われている子どもとの接し方や作業療法の視点での具体的なトレーニングがイラストと共に紹介されています。保護者の方や、発達が気になるお子さんと接する支援者の方におすすめの一冊です。
親子でいきものになりきってリラックスーー『ヨガセラピーえほん はいポーズ どうぶつ』『ヨガセラピーえほん はいポーズ うみのいきもの』
インド発祥のヨガ(yoga)。健康や美容のために取り入れている方もいるのではないでしょうか。
ヨガには自然や動物をモチーフにしたポーズがたくさんあります。お子さんと絵本のページをめくりながら、動物や海の生き物の形や動きを真似してみましょう。赤ちゃんや未就園のお子さんも、真似するだけで簡単にヨガのポーズをすることができます。
「どうぶつ」「うみのいきもの」それぞれ楽しいポーズがいっぱい!親子で楽しみながら心も身体もリフレッシュできる絵本です。
チーム支援に役立つーー『自閉症・知的障害者支援に役立つ氷山モデル・ABC分析シートの書き方・活かし方』
近年、自閉スペクトラム症・知的障害者支援の現場では、知識を学び、技術を身につけたスタッフが複数で支援する「チーム支援」が重要視されています。この本のタイトルにある氷山モデル、ABC分析は、チーム支援が円滑にできるようにするために多くの施設で取り入れられています。
「氷山モデル」とは、本人の行動の背景には、特性や環境によるものがあり、それらを解決することで課題となっている行動を減らそうという考え方。「ABC分析」とは、行動が起こるきっかけには先行事象があり、そのあとの結果によって行動が増えたり減ったりするため、先行事象や結果を調整することで行動を変えるという考え方。
これらを言語化し、チームが共通認識を持ちつつ、支援の内容をアップデートさせていくことで、よりよい支援につながると考えられています。
この本では、氷山モデル・ABC分析シートの書き方や活かし方を、具体的な事例と共にマンガで分かりやすく紹介しています。支援者向けの内容ですが、家庭でも考え方を取り入れられそうです。