2022年6月30日 14:15
3歳児健診で「療育に通って」と言われてから9年。ASD息子の子育て、実は家庭内療育してたかもと思ったワケ
機嫌が悪くなり怒っているような様子になるので、彼が見ているものの近くや後ろでさりげなく存在をアピールしたり、ハイタッチして目線を合わせたりしました。
Upload By 丸山さとこ
手を挙げることやハイタッチはコミュニケーションにも有効でした。子どもの絵本や手遊びには手をあげるポーズが多く、コウが「手を挙げる」行動を模倣するようになったことで、それらの遊びが行いやすくなりました。
たまたまバンザイしたときに手のひらへのタッチをすることで「親の手の動きに反応して手のひらにタッチする」を覚えてハイタッチができるようになったコウは、「タッチする度に位置が変わる手のひらにタッチする」という単純な手遊びも喜んで行うようになりました。
Upload By 丸山さとこ
最初は「動く手のひら」を目で追うのが難しかったり、手のひらの向きが変わると混乱したり、タッチすることばかりに夢中になりよろけそうになったりしていました。そのときどきのコウに合わせて難易度を調節することで、楽しく遊びながら、
『今日の調子はちょっと不安定だな』
『こんなこともできるようになったんだな』
『判断が早くなったな』
『難しいことを面白がるようになったな』
などとコウのコンディションや変化を感じることができました。
コウだけでなく私自身も遊びを通して気持ちの切り替えができ、親子ともども楽しめる良い遊びになりました。
また、当時のコウは物への興味が強くあまり人間には興味を示していませんでしたが、ハイタッチは「手のひらという遊び道具」を通して少しずつ「手のひらの持ち主」にも目を向けるきっかけになったのではないかな?と感じます。
今でも続く「療育的な関わり」の、変わることと変わらないこと
その後も、「いくつ?」と聞かれたら「3歳」と答えるような、質問に対して答えるというやりとりを『セリフを言う人の肩に触れる』ことで教えたり、遊具で遊ぶ練習など、いろいろ療育的な関わりをしていきましたが、そんなコウももう中学生。これからは直接サポートすることは段々と減っていくだろう…と思っていました。そんな矢先、先日行われたスクールカウンセリングにて
「コウ君のようなお子さんは、中学生や高校生になってからもほかの多くのお子さんよりサポートは必要であり続けることが多く、今のところコウ君もそうである可能性は高いです」
とハッキリ告げられ、心の中で泡を吹きました。