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テストで発動!「最初から順番に」「間違えたくない」自閉症息子のこだわりで、点が取れない!転機となったのは…

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自閉スペクトラム症のある太郎と学校のテスト


自閉スペクトラム症のある太郎は、小学校の低学年から中学年のころ、学校でテストを受けるときに強いこだわりがありました。そんな当時の太郎の様子と、自分の気持ちを振り返ってみたいと思います。

空白はすべて埋めたい

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テストで出された問題は全て分かりたい。

でも分からない。

空白は全て埋めたい。

でも埋まらない。

分からないや。

まぁいいか、次の問題へ進もう。


太郎にそういう考えはなかった。

書きたい、分かりたい、全部埋めたい。

そういう思いがあってもテストの1問目からつまずくことが多かった。

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先生がずっと1問目の問題を見つめ、フリーズしてる太郎に声をかけてくださった。

それでも太郎は解かなかった。

目の前の問題が気になるから次の問題は視界に入らない。

そうして時間はいつも過ぎていった。

テストは名前だけ書いて終わることも多かった。


点数の意味も分かってはいた。

でも点数が低いことを悪いことと認識はしていない。

それが私としては救いだった。私も点数が低いことで怒ったり注意したりもしなかった。そう育ててきたし、何よりも太郎は家でも学校でも努力はしていたから。出された宿題は時間がかかっても悶えながらも必ず全てしていってた、そういう努力や真面目な太郎を私は見ていた。

「正解」を書きたい


そしてもう1つ。

太郎は間違うことが嫌だった。


「正解」を書きたかった。

間違うことをおそれて少しでも自信がないと答えを書かなかった。

家で宿題を解いていても1問1問、間違えていないかを確認してきた。

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間違えることはできない。

正解を書きたい。

それが太郎の世界だった。

あとがき


この状態はいまだに続いています。小学校高学年のころからずいぶんと柔軟にテストを受けられるようにはなりました。


きっかけは、特別支援学級の先生がしてくださった工夫でした。テストを個室で受けられるようにしてくださったり、太郎が大好きなぬいぐるみを目の前に置いて「次へ進もう」と先生が腹話術などもしてくださいました。

そうしているうちに、ある日ひょんと初めて100点を取ってきました。そのときの喜びを知ったのか「高い点数を取りたい」という気持ちが芽生えてきたように思います。

ときと場合によりますが…晴れの日もあれば曇りの日もあるように、太郎の世界も同じです。私はそんな太郎の成長を傍でゆっくり見守れたらいい…。そう思っています。

執筆/まゆん

(監修:鈴木先生より)
自閉スペクトラム症特有のこだわりがあって問題を飛ばせないお子さんを、ときどき見かけます。
音に敏感なお子さんは個室で静かな環境の中でテストが受けられるのが理想です。一方、投薬でこだわりを軽減することも可能です。初めのうちはトークン法の利用も効果があります。人生で初めての受験になる可能性が高い高校進学までにテストが柔軟に受けられるよう、できるだけ早期に学校側や教育委員会と相談して対策を練る必要があります。

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