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知的障害のある成人利用者と「手をつなぐ?」「こだわりはどこまでOK?」ガイドヘルパーとして悩む、支援のあり方

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ガイドヘルパーとしての悩み


障害児者にとって、家族以外のほかの大人と関わることは、大切なことだと思います。

移動支援の制度を使うことで、週末の余暇活動として、ガイドヘルパーに外出の同行をしてもらうことができます。

私は週末、ガイドヘルパーの仕事をしています。外出同行の際に、保護者の希望を通すべきなのか、本人の希望を通すのが良いのか、て悩むことがある場面があります。とくに、利用者の方が成人の場合、悩むことが多いです。

成人の異性の利用者と手をつなぐことについて


知的には5歳児くらいであるとされている、30歳の青年との外出の際には、手をつなぐかどうかについて悩みます。私は年齢に合わせた対応をした方がよいと思っています。どうしてかというと実年齢が30歳だからです。


もちろん、中には隙を見て一人で走って行ってしまったり、非常ベルやホームの緊急停止ボタンを押してしまったりすることもあるかもしれません。この場合は手をつないでいる必要がありますが、そうした行動がほとんどない方については実年齢通りの対応が必要だと思っています。

ですが、危険忌避のために手をつないでほしいと考えられる保護者の方の場合、どのように対応したらいいか悩んでしまうのです。

お金について


駅の券売機で切符を買うとき、本人に購入してもらった方がよいのか、私がかわりに購入した方がよいのかも、すごく悩みます。

お金についてよく分からないと感じている場合、利用者自身で購入をしてもらおうとしたら自信をなくしてしまわないか?
でも、親御さんは「一人でやらせる経験をさせてほしい」と思っているのではないか?

私は、本人の楽しみのための余暇活動なので、できないことを無理じいして訓練するような場にはしたくないとも思い、逡巡してしまいます。

徒歩で行くか、交通機関をつかうか


親御さんは普段の運動不足を解消するため、「できるだけ歩かせてほしい」という希望があるけれど、本人は「歩きたくない。大好きな電車やバズを使って移動したい」と思っている場合があります。

こんなときも、どちらを優先させたらよいのか悩みますが、本人の余暇活動なので、私は本人の意向を優先させた方がよいと思っています。

こだわりを通せる場面と通せない場面


ある日のことです。発語のない知的障害と自閉スペクトラム症がある利用者の方とラーメン屋に入りました。

混んでいるのに麺を一本ずつ食べていました。待っている人や次の電車の時刻も気にせず、マイペースです。

私が「残してよいからもう出よう」と言ってもガンとして動かなかったので、食事がすんだ私は外で待っていました。結局、1時間以上かけて完食しました。

店を出てから、利用者の方がマスクをなくしたことに気付きました。代わりのマスクを渡しても断固拒否するため店に戻り、お客さまに席を移動していただいて探す状態になりました。
しかし、見つかりませんでした。でもパニックを起こさず、代わりのマスクを使ってくれました。

私は麺を一本ずつ食べるこだわりには応じました。でも、失くしたマスクは見つからないので応じられません。利用者の方は、自分のこだわりを通せる状況と、そうではない状況を理解できたのでしょう。この青年も、幼いころは失くしたものが出てこないと大パニックになっていたのではないかと思います。

自閉スペクトラム症がある私の息子も、幼いころ、パズルの一片がなくなったとき、手がつけられないほどパニックになりました。そのために、同じパズルを何セットが予備で買っておいたことを思い出しまた。
今は例えば靴下の片方がなくなっても、マスクを落としても大騒ぎせず、別のものを使ってくれます。

軽度でも中度でも重度でも、成長しています。

知的障害のある成人利用者と「手をつなぐ?」「こだわりはどこまでOK?」ガイドヘルパーとして悩む、支援のあり方

Upload By 立石美津子

支援者の対応に統一性がないことも課題


同じ事業所でも手をつなぐがどうか、本人の意向を優先させるか親御さんの意向を優先させるかなど統一されておらず、支援者の個人の考えに任せている場合もあります

同じ事業所で一致した対応をしたとしても、移動支援をやっている事業所は増えているので、利用者さんも複数の事業所をかけもっています。そうなるとまた対応が違ってきます。

本人が混乱することのないように、情報ややり方を共有して、支援のあり方を考える必要性を感じています。

執筆/立石美津子

(監修者・鈴木先生より)

神経発達症(発達障害)のある患者さんが高校生になってバイトを始めることは社会性を高めるうえで有意義なことだと思います。親と学校の教師以外の大人と接することで自立を促し、将来の就職率が上がっています。

最近は訪問看護という手段もあります。
主治医の指示により定期的に専門の看護師やリハビリのスタッフが患者さんを預かってくれます。その間、親は美容院へ行ったり、普段相手してあげられない兄弟と触れ合ったりすることができます。費用はワンコインほどです。
訪問看護というと寝たきり老人の看護というイメージが強いですが、自閉スペクトラム症の患者さんも扱える会社も増えてきました。

今後は神経発達症に特化した訪問看護が全国に広まることを願っております。

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