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発達障害がある子どもが作業療法(OT)を受けるときのコツは?専門家への相談方法、適切な頻度は?【日本作業療法士協会会長にきく】

LITALICO発達ナビ

Q.作業療法士(OT)の方に、どのように子どもの困りごとを相談すれば良いでしょうか?


A:お子さんの具体的なエピソードを教えていただけると、作業療法士はアドバイスしやすいです。

家庭だけでなく、学校や習い事、放課後のお友達づきあいなど、どんなことでも相談してください。その際、具体的なエピソードがあると、作業療法士が手立てを考える手がかりとなります。

「先生はこう言っていた」「私たち親はこう考えている」「本人はこんな風に考えている(言っている)」と、それぞれの立場での解釈、エピソードがあると理解が深まり、適切なアドバイスがしやすくなります。

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Q.子どもが前向きに作業療法に取り組むために、内容や進め方で大切なことはなんでしょうか?


A:スモールステップで取り組んでいくことが大切です。

作業療法の本質的な関わりは「モチベーションアップ」です。作業療法では、本人が楽しめる遊び、取り組みやすい課題の形でプログラムを提供します。だからこそ、子どもたちには「やってみたい!」という思いが芽生えるのです。


誰でも、できないことを何度もくり返しやらされるのは苦痛ですね。その子が好きなこと、得意なこと、反対に嫌いなこと、苦手なことなど、一人ひとりの背景をしっかり理解したうえで、できることからスモールステップを組んでいくことが大切です。ご家庭でも、スモールステップを意識した関わりや声がけをしてみてください。

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Q.作業療法は、どのくらいの頻度で受けると良いですか?予約が取りにくく、数ヶ月に1度程度しか受けられていません。


A:頻度・回数は大切です。ただ、頻繁に通えないときこそ作業療法士と連携を!

器用さを向上させる訓練などでは、やはりある程度の回数を受けることは大切です。例えば、筋力をアップするには、週に3回くらいの頻度で作業療法を受けることが理想とされています。

ただ、家庭や通っている施設の状況によっては、頻繁に通えないこともありますよね。そんなときは、次の通所までの目標を作業療法士と決めておき、ご家庭でできることにトライしていくことが大事になります。
作業療法士と方向性を共有し、「おうちOT」を進めていきましょう。

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Q.複数の専門家に支援いただくと、どのような良いことがありますか。


A:複数の仮説で検討できるメリットがあります。

複数の専門家が関わると、それぞれ意見が異なることもあるでしょう。しかし、1人の子どもの困り感、保護者の困り感を、複数の仮説で検討できるメリットがあります。異なる意見を集めて、調整していくことが重要なのです。

福祉や教育の現場では、すでに多職種での連携することが当たり前になってきています。教員や保育士と作業療法士、などもそうですね。さらに職種同士の連携、たとえば理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)、心理士、社会福祉士、医師などにも広げていくことが必要だと考えています。


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一般社団法人 日本作業療法士協会では、作業を通して患者・利用者さんご本人と作業療法士が共に力を出し合い、できないとあきらめていたことができるようになった、これまでできなかったことができるようになった、大切な作業と向き合った…そんな記憶に残るエピソードを募集中です。詳しくは下記よりご確認ください。

応募締切:2022年8月31日(水)

※クリックすると発達ナビのサイトから日本作業療法士協会のサイトに遷移します。

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