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わが子の「できないこと」に注目していませんか?母からほめてもらえなかった私が考える、障害の有無にかかわらず必要だと思う関わり方

LITALICO発達ナビ

母にほめてもらえなかった子ども時代の私


私が子どものころの経験をお話しします。

小学校3年生の図画工作の時間の出来事です。黄色い画用紙に赤い着物を着たお雛様を描きました。めったにほめてはくれない厳しい担任の先生でしたが、私の絵をみんなに見せて「背景が黄色で、着物が赤、お雛様が映えますね。上手にできています」と言ってくれました。

私は有頂天になり、小走りで家に帰り、「お母さん、見て見て、先生にほめられたんだよ」と伝えました。

ところが、母から出た一言は
「これは絵だから目立つからいいかもしれないけれど、実際に赤いブラウスを着て、黄色いスカートを履いたら、色がちぐはぐになってしまい似合わないから気をつけなさいよ」でした。

何気なく出た一言だとは思いますが、「もう、二度と母には報告するのは止めよう、きっとダメ出しされるから」と思いました。


きっと母は「良かれと思って」言ったのだと思いますが、ほめてもらえずダメだしだけされて傷ついたのでした。

現在、母は80歳をこえています。娘である私も還暦をこえました。しかし娘のことが未だに心配なのか、実家に行く予定があったとき、風邪を引いてしまい行けないことを伝えると、「普段の衣服の調節、自己管理ができていないからだ」と言われました。

体調のことを心配してくれていたのかもしれませんが、いまだに過干渉、そしてダメ出し母さんです。

夏休みの自由研究


私は小学校5年生のときの夏休みの自由研究として、「お母さんの怒り方折れ線グラフ」をつくりました。しかし、母に見つかりこっぴどく叱られました。そして、学校には提出できませんでした。


しかし、もしかしたら「ちゃんとしなさい」は何回、午前午後など分析するなどして、データにして見せたら気づいてくれたかもしれません。

気づいてくれなくても、叱られている自分が「親は夕方叱る回数が多くなる。気をつけよう」と叱られないコツが分かったかもしれないなと、今振り返って感じます。

できていないことに着目する


子どもがおもちゃを散らかしているときだけ「なんで片付けないの!」と叱り、片付けているときは何も言わない。
子どもがグズグズしているときだけ「早くしなさい!」と叱り、時間通り動いたときは無言。

子どもがおもちゃを散らかしているときだけ「なんで片付けないの!」と叱り、片付けているときは何も言わない。これって、赤ペンでテストのできていないところだけチェックする添削先生によく似ています。

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Upload By 立石美津子

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食事中に「手づかみしないで」「こぼさないで」「正しく箸を持って」「よくかんで食べなさい」「よそ見しないで」「好き嫌いしないで」とダメ出しされたら、食欲が減退し、食べる楽しみがなくなってしまいそうです。


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そんなときは「嫌いなブロッコリーを一口食べたね」「お箸、昨日よりも上手に持てるようになったね」と、まず成長した点をほめてから課題を出すようにした方がよいと思います。

できていることに着目しよう


片付けない場合

NG例
「なんで散らかすの!」「どうして片付けないの!」と、おもちゃを片付けないことばかりにスポットを当てて叱る。

OK例
たまたま片付いている状態をすかさず見つけて「わあ、片付いている、頑張って片付けたね」と声をかける。

おもちゃの奪い合いで兄弟や友達と喧嘩ばかりしている場合

NG例
「どうしてお友達と仲良くできないの!」
「貸してあげなさい!お兄ちゃんでしょ!」

OK例
一緒に静かに遊んでいる瞬間を捉えて、「お友達と譲り合って仲良く遊べているね」とほめる。

最初から最後までずっと喧嘩しているわけではありません。できている瞬間を見逃さないことがポイントだと思います。

グズグスしている場合

NG例
「グズグズしていたら幼稚園に遅刻しちゃうでしょ!」

OK例
さっと靴下を履いた瞬間を捉えて「わあ、あっという間に履けたね」と声をかける。

行動でも、文字の書き取りでも、必要以上に細かく添削をされることは子どもにとっては嫌なことです。
それに、親も先生も大変です。

良い行動にスポットを当てて強化する方法の方が楽だと思います。親としてはなかなか難しいかもしれませんが、その方がきっと上手く行くような気がします。

(監修・鈴木先生より)
相手の立場に立って考えることが苦手で空気を読まずに思ったことをストレートに言うのは自閉スペクトラム症の特性の一つです。
「Not unable, but able」の考えが重要です。子どもに何ができないかではなく、何ができたかを見ることが大切です。できたところをほめてあげればいいのです。
多動だった子どもが椅子に座っているだけでも「よく座っていられたね」と言ってあげれば自信がつきます。
ほかの子どもには当たり前のことでもその子は努力をして座っているからです。
自閉スペクトラム症のある方には優しく・丁寧に・具体的に・肯定文で接してあげてください。トークン法の一つとして「できたよカード(がんばりカード)」の使用が効果的です。

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