「交流級にいきたい」特別支援学級在籍の小1自閉症息子、驚きの発言と納得の理由
実際どうなの?特別支援学級の見学へ
自閉スペクトラム症のある長男けんとは、集団行動が苦手、授業中じっとしていられない、集団指示が入らないという「こども園」での様子から、通常学級は難しいと思っていました。
特別支援学級とはどういうものなのか、私はほとんど知識がなく、全く見当がつかなかったので就学相談に行き、実際に通う予定の学校に連絡を取り見学させていただくことに。
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小規模の小学校で全体の生徒数が少なく、特別支援学級は情緒クラスと知的クラスが1クラスずつということでした。けんとの入る予定になっていた情緒クラスは、担任の先生が1名、サポートの先生が1名、小学4年生以上のお兄さん、お姉さんが在籍していました。
特別支援学級に入ると、学校ではずっと特別支援学級で過ごすのだと思っていたのですが、その子どもの特性によって、参加できるところは交流級(通常学級のこと)で授業を受けるとのこと。なんとなくの雰囲気も分かり、質問したいことは全部させていただき少しだけ安心できました。
通っている特別支援学級の授業の進め方
4月に入学。特別支援学級の1年生はけんと1人でした。
最初の1ヶ月ほどは新しい生活に不安定になり疲れやすくなっていましたが、学校自体は楽しんでいた様子。交流級の同級生にも、特別支援学級の子どもたちにも興味を持っていないようで、交流級へ行きたがることはほとんどなく、ほぼ特別支援学級で過ごしていました。
学年が違う子どもたちが集まる特別支援学級。その子どもにとっての交流級と同じ時間割で進んでいくため、時間割は子どもによって違います。特別支援学級の教室の側面の黒板に、その日1日の全員の時間割が書いてあり、それに沿って進んでいきます。
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それぞれの交流級の授業がけんとは国語、4年生の子が算数、5年生の子が音楽、6年生の子が算数だった場合、まず、交流級で授業を受ける子どもは、交流級へ行きます。サポートの先生がついて行き、人数が多い場合は順番にサポートの先生が回って行くそうです。
特別支援学級で受ける子どもは、プリントを解いている間に、担任の先生が順番に教えていく授業スタイルでした。
勉強の内容は、その日の交流級と同じものをします。本人に合わせて量などを変えたりすることもあるようです。
交流級のお友達に支えられて過ごす授業
5月ころ、帰り道に交流級のお友達がけんとに声をかけてくれました。すると、それがうれしかったのか、次の日から「交流級にいきたい」と言いだし、急に授業のほとんどを交流級で受けるようになりました。
それと同時にお友達にも興味を持ち、名前や出席番号を覚えだしました。一方的な遊び方ではあるけれど、好きなお友達も数人できたようです。
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構音障害で何を言っているのか分かりにくいけんと。先生が聞き取れなかったとき、交流級のお友達が「けんとくん、〇〇って言っているよ」と先生に教えてくれたり、先生のお話しをけんとが理解していないときは「次は体育館に行くんだって」などとお友達が教えてくれたりするそうです。
交流級の子たちも慣れてきてくれたようで「けんと君はこういう子ども」という感じで、先生も子どもたちも優しく接してくださっているとのことです。サポートの先生は立ち歩いたときに座るように促してくださったり、今やることを伝えてくださったりしています。まだサポートの先生なしでは交流級で過ごすのは難しいですが、「交流級とはこういうもの」というのを少しずつでも理解してくれたらうれしいです。
交流級のスタイルが変化が少なく安心?
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現在は、朝の会、休み時間、給食、掃除、帰りの会は特別支援学級で過ごし、サポートの先生がついてくださるときは、ほとんどの授業を交流級で受けています。どの時間をどこで過ごすのかというのは、特別支援学級に在籍する子ども、それぞれで違うそうです。
けんとは視覚的に、ほかの人が食べているものに自分の苦手なものがあると具合が悪くなってしまう子なので、給食の時間は必ず特別支援学級でパーテーションをしていただき、外を向いて食べています。休み時間は6年生のお兄ちゃんが遊んでくれているそうで、その子どものお世話になりながら特別支援学級で過ごしています。
なぜ、急に交流級で授業を受けるようになったのかな?と疑問に思っていたら、保育所等訪問支援の担当の方に「交流級のスタイルの方が、入れ替わりがない分、変化が少なく安心しやすいのかもしれない」と言われました。
確かにそうかもしれない…と納得。
まだ小学1年生で始まったばかりの学校生活。本人、学校と相談をしながら、学業だけではなく集団行動や人との関わりかたも学んでいけたらいいなと願っています。
※地域、学校の制度によって異なるようです
執筆/ゆきみ
(監修:井上先生より)
小学校1年生から特別支援学級を就学先に考える場合、親御さんもずいぶん悩まれたと思います。他者から情報を聞くだけではなく、自分自身で就学先の学校・学級を見学することはとても大事です。見学は、指定された日もありますが、多くの学校はそれ以外の日も受け付けてくれると思います。担任の先生だけでなく、教頭先生や校長先生に学校の支援体制について質問しておくのも良いと思います。
けんとくんの学校のように、特別支援学級に在籍していてもお子さんの状態に合わせて、交流級と特別支援学級との時間の割合を柔軟に対応してくれるところもありますが、先生の人数やサポートの先生の配置などによって困難な学校もあります。
学校ごとに異なる場合もありますので、見学に行った際に聞いてみると良いかと思います。