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精神疾患をイラストつきで解説!症状や原因はなに?遺伝との関係は?【医師監修】

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精神疾患とは?

精神疾患をイラストつきで解説!症状や原因はなに?遺伝との関係は?【医師監修】

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精神疾患とは、なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。この意味合いで、一般に「心の病」や「精神病」「精神障害」などと呼ばれるものを、より医学的に言い表すときに使われることが多い用語です。

ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。

精神疾患の症状は?


精神疾患の症状にはさまざまな種類がありますが、そのほとんどは精神疾患でない一般の人でも経験するよくあるものです。ちょっとした気分の落ち込みや漠然とした不安感を経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

疾患であるかどうか医師の診断によって決まるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。また疾患名ごとにそれぞれの度合いや組み合わせは異なります。

以下において、精神疾患の代表的な症状の一部を紹介します。
症状それ自体は健康な人にも生じうるものであって、これがあるから精神疾患だ、ということではありません。あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。

・抑うつ気分:憂鬱・むなしい・もの悲しいなどの気持ちになり、気力がでない状態。
・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的だが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類がある。
・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくい。
・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態。

・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうこと。

精神疾患の原因は?遺伝との関係はあるの?


原因の一つとして挙げられるのが「本人の特性と環境のミスマッチ」です。精神疾患の成り立ちを説明するモデルとして、ほとんどの精神疾患にあてはまるといわれているのが、ストレス脆弱(ぜいじゃく)性モデルです。

すなわち「その人が元来もっている病気へのなりやすさ(脆弱性)と、病気の発症を促す要因(ストレス)の組み合わせにより、精神疾患は発症する」という仮説です。

ここでいう脆弱性とは、遺伝などの先天的な要素と、どのような環境でどのように対応してきたかという後天的な要素により決まるといわれています。

一方、ストレスには家庭や職場、学校における人間関係といった日常的なものだけでなく、戦争、災害、家族の死などがありますが、個人により何にどの程度ストレスを感じるかは異なります。

思春期という、身体が急激に変化する時期は思春期であること自体がストレスの要因にもなりえます。

同じストレスを受けた場合でも、精神疾患を発症する人としない人がいるのは、その人がもつストレスへの脆弱性が低いか高いかによると考えられます。


・遺伝のしくみ
遺伝には、親から病気の遺伝子を受け継ぐ場合と、親から正常な遺伝子を受け継ぎながら子どもの代で遺伝子に変異が起こる場合(突然変異)があり大きく3つに分かれます。

・メンデルの遺伝法則に従って遺伝する単一の遺伝子の異常
・複数の遺伝子が作用した上に環境要因も加わり発症する多因子遺伝
・突然変異によるもの

精神疾患のなかでも遺伝が関与するもののほとんどは、多因子遺伝によるものと考えられています。言い換えれば、特定の病気を引き起こす遺伝子というものはなく、誰もが持っている複数の遺伝子の組み合わせにより、脆弱性が左右されるということです。

・遺伝だけが発症を左右するわけではない
脆弱性(病気のなりやすさ)には遺伝も関係しますが、環境も大きな要因の一つです。

精神疾患のなかでも遺伝の影響が強いとされる統合失調症でさえ、遺伝だけが発症の原因というわけではありません。実際、双生児を対象にして、「一方が統合失調症を発症した場合にもう一方が発症する確率」を調べた研究では、遺伝子が完全に一致する一卵性双生児でも48%、遺伝子が通常のきょうだいと同じ程度に異なる二卵性双生児の場合は17%という結果が出ています。

この結果は、遺伝の影響だけが発症原因ではないことを意味すると同時に、その人を取り囲む環境が発症に関係する場合もあることを示しています。

https://jams.med.or.jp/event/doc/100s45.pdf
参考:6.社会と精神医学|日本医学会 100 周年記念シンポジウム

原因探しは必ずしも解決につながらない


自分の病気の原因を探し求めても、解決につながるとは限りません。
仮に、遺伝や、親の育て方などの環境が関与していることが分かったとしても、そもそも一つないし少数の要因だけで病気が発症するわけではありません。目立つ要因があったとしても、必ずそれ以外にもいくつもの要因が病気の発症には関与しているものです。まして、その要因が今更変えられないものであるなら、そこにとらわれていても解決にはつながらないのです。

過去ではなく未来に向かい、今何ができるのかを考えることが必要なのではないでしょうか。

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