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多動息子の通院問題。「マナー違反」と怒られ、歯医者では暴れて治療断念…医師から言われ深く傷ついた言葉、息子を変えた言葉とは【発達ナビユーザー体験談】

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子ども病院の先生に言われた言葉に傷ついて


今は大学生になった息子。未就学時代は多動気味で通院となるとその傾向が顕著になりました。

息子は軽い食物アレルギーがあり、子ども病院のアレルギー科にかかっていました。

息子が3歳くらいのころでしょうか。
年度替わりだったのかもしれません、今までの先生とは違う先生が担当医になりました。その日も落ち着かない様子の息子は、診察室の中を歩き回ったり、出て行ってしまったり…。その様子を見て、先生は「こういうお子さんは日本の恥です」と言いました。
「こういう子どもが海外に行ったときに、マナーを守らなくてはいけないレストランとかで走り回るんだよ。
日本の印象を悪くするんだよね」と。

落ち着かせられず焦っていた私は、驚きと悲しさで「申し訳ありません」としか言えませんでした。そしてなぜ、ここで海外のレストランの話が出てくるの…と混乱もしました。

ママ友たちにその出来事を相談をすると「無理して通うことないよ。転院したらいいよ」とすすめられました。
それ以降、アレルギーは地元のクリニックで診てもらうことにしました。「どんなに名の知られた大きな病院であっても、担当の先生との相性が悪ければ、無理していく必要はない」と思えたからです。

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地元の小児歯科では治療を断られ


いつも走り回っていた息子は、よくけがをしていました。


家の屋内階段はもちろん、商業施設のコンクリートの外階段を何十段も落ちて、救急車で運ばれたこともあります。激しく転ぶので、とうとう前歯4本が折れてしまい、仮の歯をつくらなくてはいけなくなりました。

そこで地元の小児歯科に行ったのですが、治療中じっとしていられず、親や歯科助手さん数人がかりでおさえつけても暴れてしまい「うちでは診られません。大学病院にかかってください」と言われてしまいました。

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身体拘束はしません、彼ならきちんとできるはずです


そこで紹介された大学病院の小児歯科にかかることにしました。そこでも、初診時に暴れそうになったのですが、一番最初に担当してくださったベテランの先生はとても厳しく、暴れる息子を治療台からおろし、廊下で待っている私のところまで一緒に戻ってきて、

「うちの病院は、どんなお子さんに対しても治療中身体拘束はしない方針です。4歳なら、言って分かるはずです。治療中に暴れたらけがをして危険なんです。
分かりますね?」

と、はっきりと言いました。
その有無を言わさぬ様子に息子も何かを感じ取ったのか、先生と二人で診察室に戻ったあとは、母子分離で身体拘束もなく、驚くほどきちんと治療を受けることができたのです。正直なところ、あまりに厳しい様子に、母である私も委縮してしまったほどだったのですが…。

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その後、息子は初診時の大暴れが嘘のように、2回目以降は歯科治療への拒否感はなくなり、きちんと受診できるようになりました。初診時にきちんとできたことが自信になっていたのかもしれません。

大学病院の小児歯科では担当医が2回ほど変わり、数年後には大学病院から独立して開業された先生のところで治療を受けるようになりました。

もちろんその先生も、身体拘束はしない方針の先生です。クリニックのホームページには「歯医者につれてくる時に噓をつかないでください(買い物に行くなど嘘をついてつれてこず、治療に来ることを話しておいてください)」「日常生活の中で歯医者にかかることを脅しの材料にしないでください」と記載されています。


治療方針を明快に説明し、子どもも納得の上で治療してくれる先生です。息子はそのクリニックで習った通りに歯磨きに精を出し、親以上に丁寧に磨き、今も虫歯はありません。

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成長した息子を見て


15年以上たった今も、子ども病院のアレルギー科の先生に言われた言葉は忘れることはできず、時折思い出されます。

そしてまた、息子が通院に不安を感じていた未就学時代、どうしたら通院時の不安な気持ちを軽減させることができるのかが分からず、適切に対応してやれなかった自分の力不足もふがいなく思います。
一方で、大学生活を謳歌し、毎日さぼることなく勉強に励み、きっと日本を支える立派な技術者になるだろう息子を見ながら「息子は、今も昔も恥なんかじゃないぞ」とも思うのです。そしてまた、たとえ厳しくても、患者のことを思う芯のある厳しさであれば、子どもも何かを感じ取って治療を受けられるのだということも、心に刻まれています。

そんな、息子が幼いころの通院の思い出です。

イラスト/taeko
エピソード参考/あっきー

(監修:三木先生より)
とても良い歯科の先生に出会われましたね。
「嘘をつかない」「子どもを脅迫しない」は、子どもに対峙するときにとても重要なことなのですが、日常生活に追われているとついついやってしまうこともあります。子どもにとって都合が悪いときほど、こういうことを意識してみると良いかもしれません。

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