子育て情報『医療的ケア児とは?学校でケアをする意義と課題、保護者の深刻な負担。切れ目ない支援に必要な4つのこと【専門家監修】』

2022年11月19日 14:15

医療的ケア児とは?学校でケアをする意義と課題、保護者の深刻な負担。切れ目ない支援に必要な4つのこと【専門家監修】


医療的ケア児って?

医療的ケア児とは、生きるために、日常的な医療的ケアを必要とする子どものことです。ひと言で医療的ケア児といっても、抱える障害の種類や症状の程度は幅広く、必要なケアもさまざまです。

歩ける場合もあれば、自分で体を動かすことや移動が難しく、一日のほとんどをベッド上で過ごす場合もあり、知的障害や身体障害、その他の障害の有無や程度も違いがあります。

具体的な医療的ケアの例としては次のようなものがあります。

・気管切開部のバンド交換などの管理
・人工呼吸器による呼吸管理
・経鼻、胃ろうなどの経管栄養
・痰などの吸引
・人工肛門(ストーマ)の管理
・導尿
・血糖値測定やインスリン注射

厚生労働省の調べによると、在宅医療的ケア児の推計人数は、2005年は約1万人と発表されていました。しかし、その人数は2019年には約2万人と発表されており、14年間でおよそ2倍に増えていることが分かります。また、幼稚園~高校に在籍する医療的ケア児は約1万人、このうち8,400人は特別支援学校に在籍をしています。

医療の進歩と共に、広く存在を知られることになってきた医療的ケア児。
乳幼児期を経て学齢期に入ったとき、教育の場ではどのような状況におかれているのでしょうか。


医療的ケア児と教育

生きていくために日常的な医療的ケアは欠かせません。学校においても、それは同様です。

学校で適切なタイミングで安全に医療的ケアを実施できる体制を保障することができれば、子どもたちも毎日安心して学校に通うことができます。また、そのなかでほかの子どもと同じように、授業に参加することができます。

毎日学校に通うことができれば、生活リズムの形成が促され、ケアを行う看護師や教員との関係ができ、そのなかで「吸引してほしい」「姿勢を変えさせてほしい」といった、自分の意思を伝える力が育まれる場合もあります。

学校生活で、仲間たちとともにさまざまな経験を重ねることで、自己肯定感や自尊感情の向上も見込め、家族以外の人との信頼関係の構築もできると思われます。通常学校であれば、他児への障害理解教育、共生教育(さまざまな違いを持つ人が一緒に学び合う)にもつながります。
学校で医療的ケアを行うことには、医療的ケア児の身体的・心理的な安定やコミュニケーション力の向上、人間関係の形成といったさまざまな意義があるのです。

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