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ASD息子、中学では「クールキャラ」で「ツンデレ」!?友達評価と個人面談で気づいた、家とは違う実態

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家ではお調子者な息子の意外な一面!?

ASD息子、中学では「クールキャラ」で「ツンデレ」!?友達評価と個人面談で気づいた、家とは違う実態

Upload By 丸山さとこ

コウは、黙っていると大人しく真面目な子どもに見られることもありますが、基本的にお調子者ですし落ち着きがありません。そんな彼が「僕、学校ではクールだと思われてることあるんだよね」と言うので、あまりの意外性に私は「えっ…クール…コウが…?」と固まってしまいました。

そんな私を見たコウは「多分話すのが苦手だからだと思う」と笑い、「だから話すようになるとツンデレって言われたりする」と言いました。

私はそれを聞いて『少しずつ中学校生活に慣れて話すようになっていったのだな』と安心しつつ、『それにしてもクールに見られるなんてこと、あるかな?』と首を傾げました。

ASDがあるコウは、オープンクエスチョンに答えたり『言いたいこと』をまとめたりするのが苦手です。小学校低学年のころは「ポケットティッシュを使い終わったので新しいのがほしい」と思っても上手く文章にできずに困るくらいでした。なので、周りに慣れるまでは無口になりがちなのは想像できます。

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今では「ティッシュ新しいのちょうだい」と私に言うことはできるコウですが、病院での診察中、医師からの「最近どうですか?」に答えられないなど、今でも『普段あまり話さない相手』に対しては特に言葉が出にくい傾向があります。


「緊張はしないんだけど、単純に何て言ったらいいか分からないんだよ」と本人も少し困っているようでしたが、小学校も6年生になれば大半の児童が顔見知りであるため「コウはそういうヤツだから」として何となく受け入れられていたそうです。

そのため、担任の先生もスクールカウンセラーの先生も「中学校に入ってからは、半数はコウ君のことを知らない生徒になります」と心配していましたが、中学校入学後は意外にも大きなトラブルが起きることはありませんでした。

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そんな中で聞いた「言葉数の少ないクールな人」というコウへの評価だったため、私は『やはり最初はそうなるね。大丈夫かな?』と思うと共に、『だからトラブルが起きていないのかもしれないな』と安心する気持ちもありました。

それにしても、クールなイメージは遠くない?と思っていたら…


そのようなわけで、新しい環境では口数が少なくなるであろうコウのことを考えれば「黙っていたらクールに見えることもあるのかな?」と一応は理解できました。けれども、「静かでおとなしい印象ならともかく、クールってコウからはかなり遠いイメージなのでは…?」と不思議に思う部分もありました。

私の友人にその話をすると、彼女は「あ~、確かに黙っていたらクールって見えるの分かる」とうなずいていたので、「えー!どうして?」と詳しく聞いてみました。

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「コウ君って背が高いでしょ?あと勉強が得意で物知りだよね。
大人びた感じの表情してるし、黙ってるとクールに感じるよ」と友人は話してくれました。それらの『クールに見える理由』をもとにコウの姿を想像すると、「あ~…そんなクールなクラスメイトっていたりするね!」と納得感が湧きました。

思い返してみれば、私自身もかつては『黙っているときとしゃべるときでイメージの違う子ども』でした。読書が好きで髪型はおさげで、当時今よりは少なかった眼鏡をかけた小学生だった私は、「家で本ばかり読んでいる大人しい子ども」と思われがちでした。ところが、実際はかなり多弁で外遊びが好きな子どもでした。

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大人しく本を読んでいることも多かったので「読書が好きな大人しい子ども」のイメージも間違いではありませんが、木に登ったり、竹馬を限界まで高くしたり、ジャングルジムから飛び降りたりしている姿は、『読書好きのおとなしい子ども』からはかなり離れた印象だっただろうと思います。

コウの「黙っているとクール」も、子どものころの私と似たようなものなのかもしれないと思うと、「クールに見える人の内面もいろいろなのだろうな」と面白く感じました。

そうして、中学校入学後しばらくはクールと言われることがしばしばあったというコウでしたが、次第にクラスメイトと打ち解けていく中で『よくしゃべるお調子者』な一面が少しずつ出てきたようで、1学期の終わりごろには「ツンデレ」と言われることもあったそうです。
会話の中から意図を読み取ることが苦手なコウですが、会話のパターンが蓄積された相手であれば「この人が『最近どう?』って言ったら〇〇についてのことだな」とある程度予測はできるようになります。

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クラスや部活など同じコミュニティに属する相手だと『自分も相手も知っていること』が多くなるため、さらに話しやすくなるようです。多分、そうなれるくらい時間が過ぎたのと同時に、口数が少ない間も会話の輪の中に入れてもらえる機会があったのだろうと思います。

環境が合い、安定しているコウを見て今思うこと


先日行なわれた2学期末の個人面談で聞いたところによると、現在のクラス内でのコウは「勉強が得意で部活を頑張っているコウはちょっと凄いヤツ」という評価を得ている一方で、お調子者なところもしっかり認識されているそうです。

「調子に乗り過ぎてやらかさないだろうか…」と親としては心配になりますが、今のクラスではそんなところも含めて「コウってそういうヤツだよな」と受け入れられているそうで、『本当にありがたいな』と今の平穏をかみしめています。

環境が合うときの安定したコウからは想像できないほどの『負荷がかかって荒れるコウ』を知っているだけに、今の平穏はこれから先も約束されたものではないのだろう…と私は考えています。

それでも、今の安定した状況の間に経験したことはコウの一部になって、今後も助けてくれるかもしれません。先の予測はつかない毎日ですが、そうなることを願っています。


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執筆/丸山さとこ

(監修:鈴木先生より)
人見知りが強いお子さんは一見クールに見えることがあります。環境に慣れ、場慣れしてくると本領を発揮するお子さんも少なくありません。
以前にも述べましたが、ASDのお子さんは「最近どうですか」では通じないことが多いのです。「学校の授業はどうですか」などともっと具体的に聞く必要があります。ASDのお子さんは行間や空気が読みにくいからです。さらに周りからいろいろ言われたり、不安が強くなったりすると緘黙に転じてきやすいので注意が必要です。

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