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学校で暴れ、家庭で叩く・蹴る自閉症息子。思春期のイライラも加わり…それでも「一人ではない」母の救いーーユーザー体験談

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自閉スペクトラム症(ASD)と知的障害のある息子。家庭や学校で暴れてしまい…


わが家の息子は中学2年生。3歳のときに、自閉スペクトラム症(ASD)と知的障害の診断がおりました。

息子は、人を見て態度を変える一面があります。悪いことをしても許してくれそうな人を見極めて、叩く・暴れる・いたずらをするなど自分の思いを誤った方法で伝えてしまいます。小さいころから私には特に激しく、児童精神科の主治医には、「お母さんだから許されると思っている」「お母さんなら何をしても嫌われないと分かっていてやっている」と言われています。

そんな息子が学校で荒れ始めたのは小学5年生のころ。小学校では特別支援学級に通っていたのですが、小学4年生までずっと一緒だった担任の先生が代わったことや新入生がたくさん入ってきたことで、ガラリと環境が変わり、落ち着かなくなってしまいました。そして、教室を脱走する、突然泣いて暴れる、教室のロッカーを蹴る・叩く、校外に出て電柱に登ってしまうように…。
先生からは「どうしていいか分からず困っている」と言われ、解決できないまま卒業しました。

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中学生になって、特別支援学校に通い始めました。入学当初は笑いながら教室を脱走し、どんな先生なのかを試していたようです。ある日、先生が「そんなに走りたいなら一緒に行くよ!」と、息子が疲れるまで一緒に走ってくれて、それ以降は教室を脱走することがなくなりました。こうして経験豊富な先生が、息子のためにさまざまな方法を探ってくださることをありがたく思っています。

中学校のスクールバスでの出来事


特別支援学校にはスクールバスで通っています。小学校のときは私が送り迎えをしていたので、スクールバスの利用は幼児期以来。はじめのころは、帰りにバスを降りた途端に泣き出し、わざと車道に出ようとする危険行為もありました。
「学校で嫌なこと、大変だったことを頑張ってきたんだよ!」という怒りを私にぶつけていたのかもしれません。

今は、バスを降りるときに「あーー」と大きな声で叫びながら降りてきます。「帰りのバスを降りる→怒りたくなる」ということが習慣化されているような気もしますが、「暴れたり怒ったりすると先生に何か言われる」と理解しているようで、「大声を出す」というスタイルで発散するようになったように思います。そして、家に着くと突然泣き出し「わーー」と暴れ出してしまいます。

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母親を叩く・蹴るは続いているけれど


私を叩く、足で蹴る、腕を強く引っ張るなどが中2になって激しくなってきたのは、思春期のイライラもプラスされているのかなと思います。

私は真顔で「やらない」「痛い」と静かに伝えるよう心がけていますが、それで止むことはほぼなく…。1時間くらい諭したり、無視して落ち着くのを待ってもダメなときは、気分を落ち着けるための頓服を飲ませています。これまで、息子から離れて別の部屋に行く、私だけ外に出るなども試しましたが、どうしても暴れて本人の安全や家の安全(窓ガラスを割ったり壁を蹴って穴をあけたりしまう可能性があります)が確保できないので、今はやっていません。


特別支援学校の担任の先生は「何かあればいつでも連絡してください」と言ってくださいます。お忙しいのであまり負担になっては申し訳ないと思い、本当に困ったときや解決法を一緒に考えてほしいときに電話をしています。あるときは、先生が「○○君と電話を代わってください」と言って、息子に「お母さんを叩いたり引っ張ったりするなら今から先生がおうちに行きます。いいですか?」と交渉してくださり…。息子が「ヤダ!」と言うと「じゃあお母さんを叩きません。分かった?」と諭してくださったこともありました。

家で暴れたり私に手を挙げたときは、電話をしなくても連絡帳で必ず先生に伝えています。翌日に先生が「昨日は家でどうしたの?」と息子に聞くと、「暴れた」と答えることもあるそうです。
また、学校で暴れて反省することがあると、息子が独り言で「ごめんね」とつぶやくことがあったそうです。先生からは「やってしまったことをちゃんと分かっているんですね」とお話がありました。

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「一人ではない」という救われた気持ち


自閉スペクトラム症(ASD)があること、知的障害があり言葉で表すのがなかなか難しいこと、思春期であること…などが重なって、息子の暴力をすぐに解決するのは難しいかもしれません。私一人で闘うのは、とても心細くて耐えがたい!でも、先生方が「どんどん頼ってください」「チーム○○(息子の名前)をつくってみんなで協力していきましょう!」と言ってくださるのが、本当に支えであり、「一人ではない」のだと救われた気持ちになります。また、今は状況が再び大変になってしまっていますが、先生は息子のことを「とても頑張っている。まだまだ(息子には)可能性があり、これから伸びると思う」と言ってくださっています。

良くなっては戻って…の繰り返しだなあと感じる日々ですが、息子も以前よりは気持ちの切り替えにかかる時間が短くなっているように思います。これからいろいろな出来事や気持ちを経験して、自分の思いとの折り合いをつけられるようになることを願っています。


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イラスト/taeko
エピソード参考/あかし

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