理学療法士(PT)の支援とは?発達障害がある子どもの姿勢や運動の悩みに、期待できる効果や保護者が意識したいこと【日本理学療法士協会 清宮清美さん取材】
発達障害のあるわが子が理学療法を受けられる場とは?
支援の一つに「理学療法」があるのは知っているけれど、具体的にどのような発達支援を受けられるのか分からない。発達障害があるわが子の、どんな悩みを相談すればいいの?そう思われている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、日本理学療法士協会常務理事の清宮清美さんに、理学療法士による発達支援について教えていただきました。
――理学療法というと、事故やケガで身体が不自由になった人のためのもの、というイメージが強いかもしれません。発達障害など、子どもの発達にかかわる分野では理学療法はどのように取り入れられているのでしょうか?
清宮:そうですね、病院のリハ室での歩行練習などが、理学療法の一般的なイメージかもしれませんね。理学療法は、戦後、社会復帰をめざす傷痍軍人のために、養成が始まった技能です。当時は、外国から講師を招いて、専門技術の教育が行われたようですよ。
現在は、小児、スポーツ障害、急性期医療、高齢者などあらゆる世代のさまざまな疾患、障害に対して、運動機能の面からサポートをしています。
――日本で理学療法士として働く方はどのくらいいらっしゃるのですか?
清宮:日本理学療法士協会の会員となっている理学療法士は、約13万人です。病院などの医療機関で働く理学療法士が約8割ですが、保健センターや発達障害者支援センター、放課後等デイサービスなどの福祉施設に在籍する理学療法士もいますし、特別支援学校や特別支援学級に理学療法士が配置されている地域もあります。また、就労移行支援事業や就労継続支援A型・B型事業に従事している場合もあります。就労支援においては、職場内の座席の配慮、座位での作業や休憩時間の確保など、合理的配慮の検討・実施に携わるといった役割を担っています。
発達障害の支援になぜ理学療法が有効?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161002189
――発達障害のあるお子さんの支援では、どのようなことが行われるのですか?
清宮:理学療法士は、医師の指示のもと支援を行い、作業療法士(OT)などほかの専門家との連携も大切にしています。発達障害のあるお子さんは、筋力が弱めだったり、目と身体の協調運動が苦手だったりすることが少なくありません。