担任の先生が給食を強要?同級生とのトラブルも…自閉症の偏食息子、給食の時間が嫌で不満爆発!真相は…
偏食の息子が「野菜、食べてみる」と言い出しびっくり!しかし理由があって…
保育園のころからずっと偏食のミミは野菜が食べられません。私も小さいときは食べられなかったのですが、大人になると大丈夫になったので、ミミもいつかは食べられるようになるだろうと全然気にしていませんでした。
ある日のことです。意を決して「野菜、食べてみる」とミミ。突然のやる気にびっくりしながらも、私はミミの好きな味つけで肉野菜炒めを作りました。ですが、残念ながらやはり食べる気持ちになれなかったようです…。
ミミに「どうして食べようと思ったの?」と聞くと、わけを教えてくれました。
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給食のとき、先生がスプーンを持ちミミの口元まで運んで「食べる?」と聞いてくるのだそうです。
そして、食べられないと「勉強を頑張るともらえる賞状」をあげないよ?とか、宿題ができないよ?などと言われるのだとか(ミミのクラスは給食を食べ終わった人から宿題をやってもいいことになっています)。
でも、今どきそんな言い方をして、食べることを強要するのかな?
疑問に思いながらも、涙ながらに話すミミの話を真剣に聞き取った私。そしてミミの話は信じたものの、先生側の意見も聞きたいと思いました。
ミミと先生の話には違うところがあった!行き違いの理由は特性によるものでした
翌日、パパが学校へ行き、担任の先生へ話してくれることになりました。
パパと私は、ミミの偏食への対応方針について意見が一致しているわけではありません。できれば私も直接聞きたかったのですが、どうしても都合がつかずパパに託すことになりました。
帰宅したパパにさっそく話を聞くと、ミミが話した内容と先生のお話は、少し違うところがありました。
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まず、先生は給食を強要したわけではないとのことでした。
ミミが自分から「野菜を食べてみようかな」と言ったので「食べてごらん」と声をかけたのだそうです。スプーンを口元に持って行ったのも、無理に食べさせようとしたためではないとのこと。そして賞状は「給食を食べられた」ときにもらえる賞状のことのようで、「勉強」のものではないのだとか。先生もミミが違うことを言っていることに戸惑ったのではと思います。
今度はクラスメイトに新たな不満が…。ミミが給食を楽しむにはどうしたらいい?
その日帰宅したミミにどうだった?と聞いたところ、給食のとき先生からは何も言われなかったいうミミ。ほっとしました。その後数日はなにもなかったのですが、ある日「先生はいいけど、(クラスメイトが)給食をたくさん入れやがって…」とイライラなミミ…。
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聞いたところ、給食では盛りつけ少なめを希望する人から先に並ぶ決まりで、ミミも先に並んだそうなのですが、当番さんが「イヤでもみんな我慢して食べてるんだよ」と言い、通常の量を盛られたのがイヤだったようでした。
確かにイヤだとは思いますが、クラスのみんながミミの事情を知っているわけではないから仕方ないこともあると思います。ただこのときの私は、ひとつが改善したらすぐほかの不満を口にするミミにイライラしてしまい、冷静に対応ができませんでした。
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時間が経てば私も落ち着くので、ミミが落ち着くのにも時間がいるんだろうなと思います。イライラはミミが自分を守る反応のひとつです。そういうときは時間を空けてからまたミミと話して、どうしたらイヤなことが減っていくのか一緒に考えていきたいと思います。
執筆/taeko
(監修:藤井先生より)
ミミさんが、学校であったお話をtaekoさんやお父さんにお話できる関係はとても良いですね。また、ミミさんのお話だけでなく、学校にも事実確認をできたのは良いと思います。学校とお子さんとで事実の捉え方、感じ方が違うこともあります。
親御さんが疑問に感じたことは、学校とうまく共有して相談されたのはよかったですね。また、ミミさんが不満を口にしたとき、親だからこそ「こんなことで不満を言わないで」と思ってしまうかもしれません。こんなことが学校であったんだよ、と伝えたかっただけかもしれません。嫌なことは全くゼロにはできないけど、どうしたら嫌なことをかわすことができるかな、と一緒に考えていくと良いでしょう。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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