子育て情報『ビジョントレーニングとは?発達障害との関わり/専門家監修』

ビジョントレーニングとは?発達障害との関わり/専門家監修

視覚の働きと体の動きを連動させることを「目と手の協応」と呼びます。第1ステップの「入力」、第2ステップの「情報処理」の次のステップである「出力」にあたる部分です。

「目と手の協応」とは、目で捉えた形や位置の情報と体の動きを連動させることです。例として、人とボールを投げ合うときの動きを見てみましょう。

飛んでくるボールを目で追いかける(入力)
ボールが手元にやってくるタイミングを理解する(情報処理)
ボールを目で追いつつ、手を伸ばしてキャッチする(出力)

人間は意識しなくても、視覚と体の動きを連動させて、さまざまな活動をおこなっています。「視機能(入力)」「視知覚認知(情報処理)」「目と手の協応(出力)」を連動させる能力は、心身の発達や活動を通して向上していきます。


ビジョントレーニングと発達障害について

ビジョントレーニングは、発達障害のある子どもの、生活や学習上の困りごとの克服や改善に役立つのではないかといわれています。

例えば、発達障害のうちの1つ「学習障害(LD)」のある子どもが、ビジョントレーニングを活用するパターンも見られます。


※「学習障害(LD)」は現在、「限局性学習症(SLD)」という診断名となっていますが、最新版DSM-5以前の診断名である「学習障害(LD)」と呼ばれることが多くあるため、ここでは「LD(学習障害/限局性学習症)」と表記します。

LD(学習障害/限局性学習症)は、学習における技能に困難さがみられる発達障害の一つです。
・読むことやその内容を理解することの困難さ
・書くことの困難さ
・数の理解や計算をすることの困難さなど
大きく3つの分類があります。

これらの困難が、知的障害(知的発達症)によるものでないこと、経済的・環境的な要因によるものでないこと、神経疾患や視覚・聴覚の障害によるものではないこと、学習における面のみでの困難であること、という場合に限り診断されます。

学校教育が始まる就学期になって診断されることがほとんどですが、就学前の段階で言語の遅れや数えることの困難、書くことに必要である微細運動の困難などがあることでその兆候に気づかれることもあります。LD(学習障害/限局性学習症)は、その症状から「理解する機能」や「暗記する機能」に困難があると思われがちですが、学習に困難が生じる背景の一つに「見る力の困難さ」

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