「療育に通って」3歳長男は入園から半年経っても教室から脱走、運動会の練習も不参加!?発達相談は3ヶ月待ちで…
保護者面談で療育をすすめられる
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幼稚園に入園してからしばらく経った冬、保護者面談がありました。入園後すぐの保育参観では、ひとり床に寝そべり、工作などの活動にも参加しようとしない息子の姿に衝撃を受けた私でしたが、まだ入園したばかりで集団生活に慣れていないせいだろうと思っていました。その後も特に先生から何か言われる訳でもないし、運動会などの行事にも参加している姿を見てきたし、なんらほかの園児と変わらぬ幼稚園生活を送っているものだと思っていたので、特に構えることなく、夫と共に保護者面談へと向かいました。
しかし、その保護者面談が始まってまず先生の口から飛び出したのは「療育に通っていただきたいんです」という言葉でした。予想もしていなかった急すぎる展開にショックを受け、夫婦そろって言葉を失っている中、担任の先生からは淡々と「療育に通うためにはまず発達支援センターへ予約の電話をして、……」などの流れの説明をされました。
発達相談の予約
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幼稚園生活は何も問題なく過ごしていると思っていたのですが、実は入園から半年以上たった今も、長男は席に座ることもできなければ上履きも履かない、ときには教室から脱走してしまうこともあったそうです。運動会も当日は参加していたが、練習には一度も参加していなかったことが発覚しました。
その話を聞いて困惑しつつも、先生によると「発達相談は混んでいてなかなか予約が取れない」とのことだったので、保護者面談が終わってすぐに発達支援センターへ電話しました。
やはり発達相談は混んでいるようで、予約が取れたのは保護者面談から約3ヶ月後の3月末でした。
初めての発達相談
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そして年が明けた3月末、とうとう相談日がやってきました。その日は夫も仕事の休みを取って、長男と3人で発達支援センターへ行きました。発達支援センターへ到着すると、支援センターの職員の方と、臨床心理士の方の2名が私たちの担当をしてくれることになりました。
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私たち夫婦が、支援センターの職員の方から今後の療育に通えるようになるまでの流れを説明してもらう間、臨床心理士の方が長男とブロックをしたり、お絵かきをしたりと遊びを交え発達の様子を見てくださいました。
長男の発達に関して…
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そして、約1時間ほどで相談が終わりました。臨床心理士の方によると、1時間長男の様子を見た感じではそこまで発達の遅れは感じなかったとのことでしたが、「失敗を恐れる完璧主義な部分やボディイメージが弱いように感じるので、心配な部分を伸ばすためにも療育に通うのはぜひお薦めしたい」と言われました。
最後に次の相談日の予約を取り帰宅しようとしたのですが、臨床心理士の方と遊んだのがすごく楽しかったのか、帰るのをぐずる長男をなんとか引っ張って帰宅するのでした。
臨床心理士の方に「そこまで発達の遅れは感じない」と言われたことでひと安心していた私たち夫婦ですが、その後、長男は知的発達症の診断を受けることになります。その話はまた別の機会に書かせていただければと思います。
執筆/プクティ
(監修:森先生より)
発達障害の症状の現れ方はさまざまです。軽度ですと特に見逃されがちですが、成長するにともなって求められる能力が上がっていったり、役割が増えるにつれて本人も周囲もつらくなってくることがあります。早期からの医療の関わりやトレーニングによって、将来の生きやすさが変わってきます。プクティさんのように早いうちに発達支援センターに相談できると素晴らしいですね。
「うちの子どもは本当に発達障害なのだろうか?」「どんな診断が出るのだろうか?」と、親としてはハラハラしてしまうかもしれません。ですが、診断にあまりこだわりすぎずに、頼る先を多く持っておくというつもりで相談してみるといいのではないでしょうか。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。