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場面緘黙小4娘、通級指導教室に行って大丈夫?臨床心理士は「慎重に」その理由は?

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担任の先生と話して通級指導教室の申し込みをした


次女は、場面緘黙(選択性緘黙)の診断から2年経過してから通級指導教室に通うことになりました。診断を受けてからすぐに通うことにならなかったのは、当時の相談先で通級指導室などの情報に触れる機会がなく、私自身がそれについて良く知らなかったためです。

4年生のときの担任の先生とのお話から、初めて次女の学校に通級指導教室が設置されていることを知り、次女も通えるかもしれないとの話が出て、「これはいい!」と話を進めてもらうこととなりました。
「次女が緘黙の症状で一番つらい思いをしている学校の中で、支援をしてもらえる!」と喜んでいたものの、その後、「本当にこの選択で良かったのか…?」と不安な気持ちになってきました。

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通級指導教室を利用するにあたって不安に思ったこと


私自身、何を不安に思っているのか、具体的によく考えてみることにしました。
私が不安に思っていたことは、
・通級指導教室に行くことを次女自身がどう思うのか
・通級指導教室の先生は場面緘黙にどの程度知識があるのか
・通級指導教室では場面緘黙の児童に対してどんなことをしているのか
次女に対しては、のちに本人と良く話し合いをすることにしました。
それ以外の不安点は、通級指導教室についての現状を私が知らないことで心配になってしまっているため、相談して解決することにしました!

臨床心理士さんに相談してみた


まず、次女と私がクリニックでお世話になっていた臨床心理士さんに相談してみました。
この臨床心理士さんは、当時発達支援センター(わが家が住んでいる場所とは別の地域)でもお仕事されている方でした。
すると、意外にも「少し慎重になったほうが良いかもしれません」とのお話が…。

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臨床心理士さんの答えは…


この臨床心理士さんのお話では、学校によって対応にもバラつきがあるとこと。
場面緘黙について良く知らないまま対応しているところが一部あることや、みんなの前で無理やり話させるなど間違えた対応をしているケースもあるということでした。
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その点について、学校方と良くお話したほうが良いとのことだったので、特別支援教室の先生方との話し合いの際に、確認してみることにしました。

その後特別支援コーディネーターの先生と通級の担当の先生と面談


その後、次女の学校の特別支援コーディネーターの先生との面談があり、私が不安に思っている点について素直に質問してみることにしました。

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こういう質問をすると失礼かな?とも思ったりしましたが、先生は、私の不安を良く理解してくれ、丁寧に答えてくれました。
通級指導教室には、次女以外にも場面緘黙のお子さんが通っていること、また、場面緘黙の症状の軽減より、まずは次女が安心して過ごせる環境づくりを目指していくこと、さらには、今後、同じ小学校にいる長女の卒業による次女の心理面の変化についてまでお話がありました。

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次女の気持ちを優先してくれる対応に安心した


特別支援コーディネーターの先生のお話で、場面緘黙について理解があること、次女の気持ちをよく考えてくれていることが分かり、かなり不安が解消されました。

「本当に大丈夫?」という感じの質問をするのは失礼かなと思ったりもしましたが、それが安心して次女を通わせられることに繋がり、思いきって聞いてみて良かったなと思った出来事でした。

執筆/まりまり

(監修:初川先生より)
ことばの教室を利用の前に感じた不安についてのエピソードをありがとうございます。ことばの教室であれ、通級指導教室、特別支援学級などの本来的な役割(どんな目的で設置されているか、定義的な意味合い)は決まっていますが、実際に中でどのように何が行われているかというところは聞いてみないと分からないところではあります。特に、場面緘黙のお子さんに関して、ことばの教室の利用は第一選択肢とは言えない面があるので、クリニックの臨床心理士さんはすぐに決めるのではなくもっと情報収集をするよう助言されたのでしょう。ただ、どんな場合であっても、お子さんが通うかもしれない教室等については、直接面談してお子さんの状態や課題をお伝えすると共に、その教室で何をどのように行っているか、何を大切にしているのかといったことは確認しておくほうがよいでしょう。

今回はコーディネーターの先生から、どうして次女さんにことばの教室が良さそうなのかについての詳細なお話をうかがえてよかったですね。ことばの教室というものは良いものらしいから使ってみよう!と決めてしまうのではなく、事前に内情をよく知る先生から実際に次女さんに対してどんなことができそうか、何を大切に指導・支援を行うのかについて知ってから利用の意志を固めるのとでは、だいぶ安心感が違うのではないでしょうか。何かを決断する際には不安が浮かぶことも自然なことです。
大人が情報収集することで一歩安心につながりうる。今回のエピソードはそれを伝えてくれているように感じます。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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