小学生の金銭トラブル!?「お菓子買って」「2000円持ってきて」発達グレー息子にお金とのつき合い方どう伝える?
お友達におごることは良いこと?
わが家の長男は現在6年生、発達障害のグレーゾーンです。これは数年前にあったお友達とのお金のトラブルです。
ある日、外で遊んでいた長男が帰ってくるなり「ぼく今日ね、Kくんと遊んでたときにね、ちっちゃいお菓子を買ってあげたんだよ」と言いました。長男の顔は「ぼく、優しいでしょう」と言わんばかりの満面の笑顔でした。なるほど、長男は良いことをしたと思っているようです。
私はお友達にお菓子を買ってあげるとか、「おごる」というのはまだ早いこと、もし一緒に遊ぶときにお友達が財布を持ってこなかったら、駄菓子屋さんには行かない方がいいことを伝えました。
長男は素直に「はーい」と返事し、これで一件落着したかのように見えました。
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「2000円持ってきてね」と友達から言われて
長男はその後も引き続き、学校から帰ってきてはKくんと仲良く遊んでいるようでした。
そしてある日いきなり「ママお願いがあるんだけど。2,000円貸してくれない?」と言って、Kくんからのお手紙を渡してきました。
「○月△日ぼうねん会午後1時からやります。2,000円持ってきてね。Kより」
お手紙はかわいらしいお誘いの内容でした。この時期に忘年会?それはともかくとしても小学生にとって2,000円はかなりの大金では……と私は慌てました。
しかもKくんは家庭の事情でお金を出せないから、長男にぼうねん会の会費2,000円を出してほしいと言うのでした(ちなみに用途はファミリーレストランで食事するため)。Kくんがお金を出せない理由は、ゲームに3万円ほど課金してしまい、しばらくの間お小遣いがストップしているとのことでした。
ぼうねん会をやりたいと言う気持ちはくんであげたいものの、2,000円は小学生にとってやっぱり高い気がするし、うちだけが出すのも何か違う気がしたので、長男は不満そうでしたが断ることにしました。ちょうどうちにやってきたKくんにその旨を伝えると、Kくんは気まずそうに去って行きました。
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突然の先生からの電話
これで全て解決したかと思っていたのですが、ある日学校の先生から一本の電話が入りました。
「実は保護者の方から電話があり、Kくんが長男くんにお金を借りているとか……」
長男がKくんにお菓子を買ってあげたのは1回ではなく複数回で、400円ほどおごっていたとのこと。またKくんは長男だけではなく、ほかの友達にもお菓子をおごってもらっていたようです。
その後、Kくんのお母さんがKくんと共にうちに謝りに来てくれて、お金を返してくれました。Kくんのお母さんは何度も何度も頭を下げていて、こちらが申し訳なくなるほどでした。ぼうねん会については、年末に夫婦で忘年会に行ったりしていたので、息子はそれを覚えていた、すぐ真似をしたがる子で…とのことでした。
私は、お金のやり取りについてちゃんと話していなかったこちらにも責任があること、よかったらこれからも長男と一緒に遊んでほしいことを伝えて頭を下げました。
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おわりに
この一件で、子ども同士のお金のやり取りについて、あらためて考えるいい機会になりました。
お友達へのお金の貸し借りやおごりおごられについては、少なくとも親からお小遣いをもらっている段階ではダメだよときっぱり伝えました。
小学生になると子どもだけで外に遊びに行かせたりして目が届きにくくなるから、前もってのお約束は大事だなと身を持って感じた出来事でした。
執筆/星河ばよ
(監修:室伏先生より)
星河ばよさん、息子さんの周りでのお金のトラブルについて、具体的に共有してくださり、ありがとうございました。なかなか難しい問題ですが、今回のことは息子さんがお金の使い方について学ばれた、とても貴重な機会になったのですね。ルールを決めたうえで、お金の管理を小学生のうちから学んでもらうことはとても重要なことですね。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。
現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。