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発達グレー次男の就学相談。結果は自閉症兄と同じ「特別支援教室」で…。どうしてこの子が?戸惑い、落ち込む母を救ったのは…

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未診断だった弟・ふーの就学相談。5月の予約から、親の面談、本人の面談、発達検査、集団行動観察・精神科医面談と続きました


わが家は二人兄弟です。兄のミミは小4で、自閉スペクトラム症(ASD)があります。年長さんの弟・ふーは、年中のときに受けた児童精神科で、診断名はつけられないけれどつけるとしたら自閉スペクトラム症の傾向があり、繊細で敏感なタイプと言われています。それからはふーは、週1回の児童発達支援、月1回の自治体の療育を続けていました。

そして4月、年長になった、ふー。5月から就学相談が始まるので、私はすぐに申し込みました。

就学相談の予約は電話で取ることができます。最初は親のみで区役所へ行き、担当の方と面談をしました。
そこで私たちは、就学相談を希望する理由や困りごと、例えば、ふーは少しの注意でもショックを受け機嫌を損ねることがあり、原因が分かるときはまだいいけれど、どの言葉や行動が嫌だったのか、全く分からないときもあることを伝えました。

そして後日、別会場でふー一人で職員さんと面談、発達検査を受け、その1ヶ月後、集団行動観察と精神科医との面談がありました。当日、私が時間を間違えてふーを急がせてしまいましたが、ふーはぐずることなく会場に行くことができました。ASD の兄ミミだったら、急な予定変更はグズって大変なので、スムーズに出掛けられるふーは、私にとって「めちゃくちゃ良い子」と映っていました。

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未診断のふーも、自閉スペクトラム症の兄・ミミと同じく「特別支援教室」判定に


面談、検査が終わってから1ヶ月、ついに結果を聞く日になりました。親が結果を聞くだけなので、私1人で区役所へ向かいました。ふーの就学問題、どうなるのか何年も前から考え続けてきました。緊張しつつも冷静に、職員さんからの話を聞きました。


職員さんからは、ふーも「特別支援教室」に通う事が必要であると伝えられました。
ミミと同じでした。

詳しく聞くと、ふーの就学相談での発達検査はほぼ標準だったとのこと。特別支援教室が必要だと判断したのは、保育園や療育へのヒアリング、審査委員会を経ての結果とのことでした。

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長い帰り道、時間があったのもあり、つい余計なことを考えてしまいました。ふーもミミと同じく配慮が必要ということが、正直ショックだったのです。

やや怒りっぽいところがある自閉スペクトラム症のミミとは違い、穏やかでいつもニコニコしているふー。ふーの笑顔はとてもかわいくて、こちらを温かい気持ちにしてくれます。
「どうしてこの子が……」と思ってしまいました。

未診断だったふーも特別支援教室に行くことになるなんて。きっと私も発達障害なんだろうな。私も療育受けたかったな……。発達障害の親が発達障害の子どもを育てたら空回りだらけ……。

負のスパイラルです。どんどんどんどん暗い思いにとらわれていってしまいました。

……いけない。
プラスに考えないと!
だからこそ、療育、特別支援教室に通うことで世の中に助けてもらおう。療育を受けられる子どもたちは恵まれているんだ、配慮してもらえるんだ。かかりつけの小児科医の先生の「本人が困るから、療育や特別支援教室に行ったほうが良いよ」という言葉を思い出し、ふーが困りごとをクリアして行くため、自分の気持ちを表現できるようにするため特別支援教室行くんだ!と自分に言い聞かせました。

私を心配した長男の温かい心遣い。私の子どもたちはとても優しく育っているから、大丈夫


帰宅後もそんな事をもやもやと考えていたら、どうやら表情に出ていたようです。私を心配してくれたミミが気を遣って、なんとお風呂を洗いお湯を沸かしてくれました。このミミのやさしさが、私を負のスパイラルから引き上げてくれたのでした。

私の子どもたちはとても優しく育っているから、大丈夫。

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執筆/taeko

(監修:鈴木先生より)
保護者の接し方次第で、ASDの子どもの態度は変わります。
相手の気持ちを読み取ることが苦手なASDの子どもが気遣ってお風呂を沸かしてくれたことは、素晴らしい行動ですね。

今回のように、保育園などで配慮が必要と判断され、診断名のないまま特別支援教室へ行くお子さんが多くみられます。なぜ、そのお子さんが特別支援教室と判定されたのか、私は、専門医のきちんとした診断を受けてから歩んでいくことをおすすめしています。診断によって、将来の方向性がある程度わかるからです。羅針盤のない航海よりも、羅針盤を使って目標をもって進むほうが、親御さん、お子さんにとってメリットが多いと思います。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。

知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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