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保育園に入れたのは失敗!?障害のある息子、風邪から肺炎を繰り返し入院…もう辞めるしかない?

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保活成功!保育園の加配枠に0歳児から入園が叶う


「まずは入れないと思ってください」と市役所の方に言われ、半ば諦めていた保育園の加配枠に奇跡的に入園できたことは過去の記事で書きました。

きいちゃんは10月生まれなので、4月入園当時はまだ生後6ヶ月でした。
そんな小さな頃から保育園に通っていたんだ……!と、今思い返すと驚きますが、障害のある子の保育園入園は激戦だと聞いていたことと、私自身が早く仕事に復帰したかったのも正直あり、思い切って0歳からの入園でした(1~2歳入園になると産休育休明けで子どもを保育園に入れたい家庭が多く、さらに激戦になるのです)。

保育園は家から2キロ弱の距離で、送迎が大変だったのですが(車も運転免許もなかったので自転車で送迎していて、雨の日はとくに大変でした……。その後、あまりの大変さに運転免許&中古車をゲット!)今でもきいちゃんを受け入れてくれた保育園に本当に感謝しています。

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保育園の洗礼が……!ただの風邪をもらっただけなのに肺炎で1ヶ月入院


担任の先生や加配の先生もきいちゃんを可愛がってくれ、園長先生やほかのクラスの先生方、保育園の年中や年長のお兄さん、お姉さんたちもきいちゃんを可愛がってくれました。
そうやって順調に保育園に通い始めたかに見えたきいちゃんでしたが、入園から1ヶ月半を過ぎた頃から事態は変わってきました。

そう……「保育園の洗礼」です。

「保育園の洗礼」とは……
小さな子どもたちが1つの部屋で集まり過ごす保育園という空間は、さまざまな感染症にも出合いやすい場所でもあります。そして、入園したばかりの頃は感染症への免疫が低い子どもも多く、入園後すぐに短期間で早退やお休みを繰り返すことになる……、これが「保育園の洗礼」と呼ばれています。

保育園に入れたのは失敗!?障害のある息子、風邪から肺炎を繰り返し入院…もう辞めるしかない?

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見事にきいちゃんもその洗礼を受けました。
しかもきいちゃんの場合は普通の風邪におさまらず、持病のせいで肺炎にまで発展してしまうことが多かったのです。(心房中隔欠損症という、心臓の右心房に穴が空いている病気を患っていました。現在は手術して完治済みです)

ただの風邪から肺炎になり1ヶ月入院し、退院して保育園に行くもそこで再び感染症にかかり、その3日後にはまた病院に逆戻り……なんてことがザラに起こるようになりました。もちろんその間は保育園に通えません。

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ほとんど通えない保育園……辞めるべき?


4月に入園してから、きいちゃんがまともに保育園に通えたのはほんの少し。
あとはお家にいるか入院する日々が多くなりました。

これでは本末転倒です。何のために保育園に入園したのか分かりません。というか、こんなに肺炎を繰り返すきいちゃんを、保育園という場所に入れてしまったのは間違いだったのではないかと私は思い悩み始めました。もちろん、私もきいちゃんにつきっきりなので、仕事復帰なんて夢のまた夢、それどころではありませんでした。
保育園に通っていないのに、保育園代がかかることも正直、家計の負担にもなりました。

「せっかく入れた保育園だけど、保育園を辞めるべきではないか……」
「私のせいできいちゃんに苦しい思いをさせてしまっているのではないか」と、自分を責めました。

そして、きいちゃんが肺炎を繰り返すうちに、とうとう『肺高血圧症』になってしまったのです。
これには私も相当ショックを受けました(※肺高血圧症とは、心臓から肺に血液を送る血管である“肺動脈”の血液の流れが悪くなることで、肺動脈の血圧が高くなる病気です。酷くなると酸素ボンベを使い鼻から酸素を送らなければならなくなります)。

暗黒期第2期への突入です……(第1期は障害告知の時)。
障害のあるわが子を保育園に入れたのは失敗だったのではないか、
そして私ももう仕事復帰なんて一生できないのではないか、
もう漫画を描くこともできない……
そもそもきいちゃんに障害がなければ、こんなに悩むこともなかったのに……
きいちゃんのことを一番に考えてあげないといけないのに、自分の人生に絶望して自分のことばかり考えている自分も嫌になりました。

保育園に入れたのは失敗!?障害のある息子、風邪から肺炎を繰り返し入院…もう辞めるしかない?

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せっかく奇跡的に入れた保育園でしたが、もう辞めるしかない……。しかし、そう思い込んでいた私の考えを、理解し、変えてくれた人との出会いがありました。

その人とのエピソード、そしてその後どうなったかは、また別の機会に書ければと思います。

執筆/星きのこ

(監修:鈴木先生より)
保育園に入り、さまざまな感染を繰り返すことで早めに免疫を獲得でき、丈夫な子に育つという考え方もあります。

確かにダウン症で心疾患のあるお子さんは感染症が重症化しやすいので注意が必要ですが、地球に住んでいる限りいつかどこかで感染はするものです。「就学後に感染して学校を休むよりは良かった」と前向きにとらえてみてはいかがでしょうか。

また、障がいのあるお子さんは保育園の特別支援学級と言われる「療育」に通うという方法もあります。このような障害のあるお子さんの集まる施設は各地域にあります。ただ、定型発達の子どもとの触れ合いが少なくなってしまうという面はあります。
文科省がインクルーシブ教育を提唱している今はむしろ定型発達の子どもと触れ合うことができ、且つ理解のある保育士のいる保育園も良い選択かもしれませんね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。


神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

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