「授業中走り回っています」三者面談で母愕然…!多動な次女が落ち着いた工夫とは
話を最後まで聞けずに、すぐに動き出す次女は、話終わるまで手を握る
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わが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族のほぼ全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。
幼児の頃から動きが大きくて速かった次女リスミーは、小学生になるとますます活発な子どもに育ちました。リスミーは食欲もあり、親族からは「一日中、何かを食べている子だね」と言われていました。よく動くせいか、食べるわりには体が細いです。これは大人になった今も変わりません。
リスミーは私が何かを伝えようとしても、話が終わらないうちに動こうとします。私はリスミーの手をしっかり握ってから、話をしていました。
ところが今度は、まだ私の話が終わらないうちに、リスミーは自分の話をし始めます。なので、二人同時に話をすることになってしまいます。そうなるとお互いの声が重なって騒音のような感じになるので、私が混乱してしまいます。
リスミーには「お話の仕方にはルールがあるのよ」と伝えて、小学生になったばかりの子どもでも分かるように交通ルールの例え話をしました。
交通ルールの例え話で説明し、実際に現場も見せる
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「相手が話し中の時は、こちらは赤信号なの。だから話してはいけない。相手の話が終わったら、こちらが青信号だからお話をしていいのよ」
お話だけではなかなか身につかないので、実際に交差点へ行って、信号ルールを確認し、青信号になると一緒に横断歩道を渡りました。
それでもまだ幼いリスミーは待ちきれず、私のお話中に割り込んでこようとします。
リスミーは大きな動きや大きな声はないものの、とにかく動き始めのタイミングが速いのです。
そんな時は「リスミーの話はちゃんと聞くから、もうちょっと待っててね」と安心させてから、話を続けました。
リスミーが私の話を最後まで、しっかり聞けた時はなるべくオーバーに褒めてあげました。毎回ではないですが、よくお話を聞けた時は、時々ご褒美もあげたりました。このような工夫を行うようになったのは、リスミーが保育園児の時に、構音障害の診断を受けて、言語聴覚士のトレーニングを受けたことがきっかけでした。診断が出てトレーニングを受ける中で、劇的に成長していったリスミーを見て、私自身が日々のリスミーとの関わり方を工夫すれば、きっと良い変化があると感じていたからです。
学校の三者面談でリスミーが授業中に走り回っていることを知らされる
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リスミーは小学校1年生の時からインターナショナルスクールに通っていました。担任はアメリカ人の先生でした。
小学校での三者面談の時のことです。先生から「リスミーさんは算数の授業中に教室を走り回っています。注意しようとしたら、素早く席に着くので、注意することもできません」と言われました。
私が「どうして走り回っているの?」と隣にいるリスミーに確認しました。するとリスミーは「自分は答えを書いたから、周りの人に教えて回っている」と言いました。
私は先生に「その答えは当たっていましたか?」と尋ねました。すると先生は「間違っていました」と答えました。
私がつい笑ってしまうと、先生は「落ち着いて検算をして答えを確かめるといいです。
この子は解き方は身につけているので、落ち着いて取り組めば、きっと大丈夫です」と言いました。
担任からボール握りの工夫を教わり、学校と家庭で同じ工夫を行い効果がすぐ出た
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なにか工夫が必要だと分かりましたので、先生に「落ち着くために、何をすればいいですか?」と聞いてみました。
先生は「授業中、ボールをニギニギさせながら勉強してみましょう。ご家庭での学習の時もやらせてみてください」と答えました。
リスミーはその日から早速、自宅でも学校でも柔らかいボールを握りながら勉強を続けました。すると集中力がついて、成績がグンとアップしました。
学校と家庭で同時に同じ工夫を行うと、効果が何倍にもなるという印象を受けた出来事でした。
執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
(監修:森先生より)
「こうしちゃダメ!」「落ち着きなさい!」と言い聞かせるよりも、「こうしようね」と伝えたり、代わりの動作を教えるほうが効果的だと言われています。
言い聞かせるときに手を握るのは、安心にもつながりますし、動かないでお話を聞けるのでとても良い方法ですね。ボールをニギニギすることも、決まった動作をすることや、手の感覚を刺激することで、ストレスを感じにくくして落ち着くことができると言われています。
お母さんの教え方もとっても良いですし、学校の先生も、リスミーさんのことをよく見てくれていますね。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。