子育て情報『攻撃的・衝動的…子どもの重篤な行動上の悩み、どうすればいい?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】』

攻撃的・衝動的…子どもの重篤な行動上の悩み、どうすればいい?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】


物を投げる、弟や妹を傷つける。癇癪で近所から苦情……対応は?

Q:特別支援学校小学部に通う高学年の子どもがいます。家で1日に何度も、物を投げたり、弟や妹を傷つけたりします。また、癇癪が起きると叫び声をあげ、床を踏み鳴らすので近所から苦情がきて困っています。このような場合、どのような対応をしたらよいのでしょうか。

A:家庭だけで抱え込まず、特別支援学校の先生、相談支援専門員などと相談しながらチームで対応することが大切です。他害行動はどのような場所や状況で生じやすいか振り返ってみましょう。まず起こりにくい環境を整備し、回数を少しでも減らしていくことを考えましょう。


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もの投げやきょうだいに対する他害行動はどのような場所や状況で生じやすいでしょうか。振り返って書き出してみてください。

これらの行動の機能として要求が通らないとき、注目が得られていないとき、余暇がなくすることがないとき、嫌な刺激や感覚が生じているときなどが考えられます。まず起こりにくい環境を整備し、回数を少しでも減らしていくことを考えましょう。

環境整備には視覚支援や構造化などが有効です。それぞれの問題行動の代わりになる適切な行動も教えていきます。保護者だけで考えるのではなく、特別支援学校の先生や専門機関の相談員に相談してみましょう。家庭環境の中で対応が困難な場合、在宅支援に関連する福祉サービスで利用可能なものがあるかもしれません。
相談支援専門員に訪ねてみるのもよいかと思います。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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