ペアレントトレーニング(ペアトレ)のメリットは?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】
ペアレント・トレーニング(ペアトレ)とは?
ペアレント・トレーニング(ペアトレ)とは、保護者が環境調整方法や子どもへの肯定的な働きかけを学ぶことで、子どもの発達を促進し、子どもの問題行動や保護者の心理的なストレスなどを改善していくプログラムです。
ついつい子どもを叱ってしまいがち。ペアレントトレーニングのメリットとは?
Q:子どもに発達障害があり、「片づけをしない」「宿題をしないでゲームばかりしている」などの好ましくないと思われる行動をすると叱ってしまいがちです。ペアレントトレーニングに関心があるのですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
A:ペアレントトレーニングは保護者が個々の子どもの特性を理解し、子どもに合わせた関わり方を学ぶことで問題行動の改善や発達の促進を目指すことができます。
発達障害のある子育てにはさまざまな困難やストレスがあると言われています。また、子どもの示す不適切な行動に対して感情的な対応をしてしまうこともあるかもしれません。
ペアレントトレーニングは保護者が個々の子どもの特性を理解し、一人ひとりの子どもに合わせた関わり方を学ぶことで問題行動の改善や発達の促進を目指したプログラムです。
例として、
・子どもの行動を観察し、良い部分を見つける
・良い部分を褒める
・子どもが落ち着けるような環境を見つける
・より良い声掛けの方法を知り、子どもに伝える
などがあります。
内容としては、講義だけでなく演習やホームワークも設定され、具体的、体験的に学べるようになっています。グループや個別などさまざまな形式がありますので、自分に合ったプログラムを選んでいくとよいでしょう。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。