ワンオペ育児で限界…育児疲れを防ぐには?動画の見過ぎと発達の関係も【医師QA】
ワンオペ育児とは?なぜ起こる?発達の気になる子どもの対応Q&A、相談先についても紹介
ワンオペ育児とは、保護者一人に育児の負担が偏っている状態を表す言葉です。単に一人で育児をするのではなく、「孤独な育児」という意味が含まれていて、昨今社会的関心を集めています。
そもそもワンオペとは「ワンオペレーション」、つまり一人で作業することを意味していて、コンビニエンスストアや飲食店などで、店員一人だけで店を回している状態に対して使われていました。そういった過酷な働き方と一人で育児をする保護者の状況が似ているということで、2010年代半ば頃からインターネットなどで「ワンオペ育児」という言葉が使われるようになり、今ではニュースなどでも取り上げられることがあるほど注目を集めています。
現在ワンオペ育児を担っているのは保護者の中でも母親が多いと言われているため、この記事でもワンオペ育児をする母親の状況などを主に記載していきます。
実際に発達ナビのサイト内でも、「ワンオペ育児でもう限界……」「イライラしてしまうことがあっても、ワンオペなので逃げ場がありません」など、ワンオペ育児に疲れた様子の書き込みが見られます。
ワンオペ育児は一人で子育てを行っている状態のため、悩むことがあっても相談相手がいないことや、時間や精神的な余裕がなくて自治体の子育て窓口に連絡ができないということがあります。
その結果、適切な支援を受けることができずに育児のつらさが解消されず、心身の疲労が蓄積することで、精神疾患の発症や、子どもへの望ましくない関わりなどを招いてしまいかねないと言われています。
https://doi.org/10.4234/jjoffamilysociology.32.7
参考:三谷 はるよ著「育児期の孤独感を軽減するサポート・ネットワークとは」『家族社会学研究』32 巻 (2020) 1 号 P.1-2
なぜ起きる?ワンオペ育児の原因
ワンオペ育児になる原因には、日本社会の労働環境や家庭環境、パートナーの姿勢や親自身の性格的傾向といった、さまざまな要因が考えられています。
・パートナーの労働環境により、育時休業や時短勤務ができない
近年では日本でも男性の子育てへの参加意識が高くなっていると言われています。厚生労働省は2010年から男性の育児休業促進などを目的とした「イクメンプロジェクト」