不登校がきっかけで、自閉症と診断。言葉の遅れ、チックや繊細さ…それぞれ特性がある3人の子どもたちと向き合う日々【新連載】
わが家の3きょうだいをご紹介!
はじめまして、「ねこじまいもみ」です。 わが家は3人の子どもたちと夫と私の5人家族です。
ブログやSNSなどで、特に長女や長男のエピソードを描く活動をしています。発達ナビではブログやSNSで描いていないような、発達障害に関する内容も紹介していけたらと思っています。
今回はわが家の子どもたちを紹介します。
・2012年生まれ長女わっち(繊細)
・2014年生まれ長男まっち(自閉スペクトラム症)
・2020年生まれ次男おちび(言葉ゆっくり)
繊細な小5の長女「わっち」
長女は本当に成長の早い子でした。
月齢平均と比べて、歩行もおしゃべりも歯が抜けるのも、とにかく何もかもが早い。さらにおしゃべりも達者で、2~3歳ぐらいの頃には「大人っぽい考え方をするんだなぁ」と感じていました。
そして、赤ちゃんの頃はよく泣き、あまり寝ない子でした。
夜も何度も起きることがあり、それが年長まで続きました。11歳の今も夜中によく目を覚ましてしまうことがあります。
そんな長女をとても繊細な子と、私が感じたのは幼稚園の年少ぐらいからでした。
唇をかんだり、髪を抜いたり、チックがでたり……ストレスを感じると、そういった症状でよく表れることに気づきました。
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長女が成長するにつれ、彼女の行動や言葉からも大人っぽさと同時に繊細な部分を、親としてより感じています。
長女は人の気持ちがよく分かり、私が考えもしないところまでよく考えているんだと思います。自分に関係のない場面でまで傷ついてしまったり……。
そして、長女自身もそんな自分のことをよく分かっているようです。疲れた時には一人で黙々と絵を描くことが自分を癒す時間だそうです。
見守るところや手を貸すところを考えながら、スキンシップや話をたくさんすることなどを心がけています。
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自閉スペクトラム症の小3長男「まっち」
長男は現在小学3年生です。ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたのは3年生の夏でした。赤ちゃんの頃はあまり泣かず、声も小さくいつも寝ている……という静かな子でした。実はそれは先天性甲状腺機能低下症の影響だということが、生後1ヶ月ごろに分かったのです。現在経過は良好で投薬なしで年に一度検査に通っています。
長男は言葉も歩行も月齢平均くらいの発達でしたが、2歳ぐらいからこだわりの強さを感じるようになりました。
また、同じ直線を行ったり来たり走るという行動も始まりました。そして、人見知りで1人遊びが好きで、何かの世界に入り込みとても楽しそうという印象でした。
しかし、長男の行動に私が困るといったことは特になく、こだわりや行ったり来たりなども少しは気になるけど「子どもならではの行動なのかな?」と思っていました。
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/小児における内分泌系の病気/新生児の甲状腺機能低下症
参考:新生児の甲状腺機能低下症 | MSDマニュアル家庭版より
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そんな手のかからないと思っていた長男に私が奮闘し始めたのは、年長になった頃に始まった、登園しぶりからでした。 とにかく激しくて……。
担任の先生からの助言もあり、年長の時に初めて受診をして発達検査を受けました。その時は、診断名はつかず「様子を見る形で大丈夫」と言われ……私は「考えすぎだったのかな」と思いました。
小学校に入学したあとも登校渋りがみられ、たびたび不登校に。語彙が発達してきたこともあって、長男が登校を渋る理由が小さい頃から感じていた常同行動やこだわり、感覚の敏感さ、集団行動の苦手さが関係してくることに明確に気づいていったのでした。
そして、小学3年生になり、もう一度受診をして発達検査を受けたところ、自閉スペクトラム症と診断されました。
今は長男のペースでいろんなことに取り組み、良いところが伸ばせるように試行錯誤の日々を過ごしています。
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発語がゆっくりな年少の次男「おちび」
末っ子次男は歩行も発語もきょうだいのなかで1番ゆっくりでした。そして1番社交的です。行動面については本当にしっかりしていて、周りをよく見て理解していました。発語はなくても上手に意思を伝えてくれていたので、特に私が困ると感じたことはありませんでした。
しかし、1歳半から3歳目前まで、言葉の伸び代があまり感じられず療育へ行くことを決めました。
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発達検査では問題なく、理解力もあるとのことでした。ただ、比較的マイペースな性格らしいので「こんな風に導いてあげるといいよ」と発達外来の先生に教えていただきました。 そしていろんな刺激をもらえるといいなと思い、3歳児クラスでの幼稚園入園を決めました。
現在3歳10ヶ月。まだ質問に答えたり、長い会話が成立しないこともありますが、毎日少しずつ成長を感じています。
失敗しても何度も挑戦する次男に私はいつも励まされています。
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このように3人バラバラの個性で毎日楽しく刺激的な日々を送っています。
今後のコラムでは、それぞれが乗り越えてきたこと、昔と今の違い、発達の特性や日常で私が感じたことなどを詳しく描いていけたらと思っています。 どうぞよろしくお願いします。
執筆/ねこじまいもみ
(監修:初川先生より)
きょうだい3人それぞれのご紹介をありがとうございます。
個性や得意不得意がそれぞれ違う3人の成長する中でのさまざまなエピソード、いもみさんの思いのシェアを楽しみにしています。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。