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2歳で発語、指さしなし。激しい癇癪、ベビーカー拒否で母も涙…自閉症娘の子育て奮闘記【新連載】

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わが家の娘、マユユについて


わが家の長女マユユは、4歳の元気な女の子。
現時点での診断は、軽度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)です。
社会性や言語が凹のタイプでコミュニケーションの難しさがあります。3歳すぎから療育に通い始めました。

とくに
・切り替えの苦手さ
・人との関わりの苦手さ(目が合いにくい、順番を待てない)
などが目立つタイプ。
発語や理解にも遅れがあるので、癇癪も多いほうです。

なお、トイトレは絶賛難航中……。

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赤ちゃんの頃のマユユ【0歳~1歳半健診まで】


マユユが赤ちゃんの頃は、健診では『問題なし』ばかりでした。

しかし、1歳半健診で初めて『発達が遅れているかもしれない』と(私にとっては)予想外の指摘を受けることになります。

マユユが0歳の頃から睡眠や食事に難しさを感じていたものの、その頃の私は「子どもってこんなに大変なのか」くらいの気持ちでした。小さな子と接する機会もなく、定型発達の子どもの発達についても知らなかったからです。
今思えば特性が強く出ていたと思いますし、思い当たることだらけなのですが、知識もない私はまったく気づけないまま「クールで意志の強いタイプかも」と思いながら育児を続けていました。

そんな私にとって、1歳半健診での出来事はまさに衝撃。
あの時の保健師さんの「あれ?」という様子はいまでも忘れられません。

そしてその後、待てども待てども発語や指さしは出てこず……。
目線もあまり合わない、クレーン現象ばかりの娘に「私のこと、おかあさんと思ってる?」と悶々とする日々の始まりでした。


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公園でのつらい記憶【2歳の頃】


発語がないまま2歳になり、発達相談に通いながら自宅保育をしていたころは、誰かと一緒に遊ぶ・指さしながら楽しくお散歩!なんて夢のまた夢。
危険が少なそうで見守りやすい、順番待ちが発生しない(できない)、ブランコは無いほうが良い(動いてても突入するので危険すぎる)など、とにかく”ちょうどいい”公園探しに明け暮れていました。公園へ行っても1時間くらいで切り上げたいけど、長いと5時間くらいいたことも。しかもひたすらマユユを追いかけながら安全確認と周囲への気配りが必須でした。

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「おしまい」もすんなりできないマユユは、ほぼ毎回癇癪を起こしながらの帰宅。
娘がじたばた抵抗するのでベビーカーに乗せきれず、絶望し私まで泣いてしまったこともあります。居合わせた優しいママさんに心配されたことも多数ありました……。

当時のマユユには、優しい声かけや小さい子への切り替え術!のようなものは基本的に通じなかったので、その優しさすらも無下にしているようで申し訳なく、私はとにかく人目がつらかったです。


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療育に繋がってからの変化【3歳の頃】


私が『療育』や『児童発達支援』を知ったのはマユユが3歳になる直前の頃でした。いちばん悩んでいて、少し娘と離れる時間もほしい気持ちもあった2歳の時期に療育に繋がれなかったことは、今でもとても後悔しています。

こんな様子のマユユでしたが、その後小集団の療育に通い始めてから大きく成長しました。
爆発的に成長!とはいかないのですが、療育などの関わりで3歳頃に全体(発語、指さし、人との関わり方など)が0→1になり、それから少しずつ増えていっている感覚です。
0の期間が長かったぶん喜びが大きかったです。

以前は「こんな様子がいつまで続くの? もしかしたらずっとこのままなの?」と不安ばかりでしたし、実年齢との差に落ち込んでばかりでした。気持ちが焦って「なんでできないの」と強く教えようとしてしまったこともあります。
でも年齢の目安通りではなくても、ちゃんと成長していると”分かった”ことが今の私を支えています。


とあるアニメ映画の影響もあってか、最近ようやく私が『おかあさん』という存在だと気づき始めた……かも?

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この経験が誰かに届くことを願って


SNSやブログでは、リアルではなかなか出会えない障害がある子どものママさんパパさんのお話をよく目にします。私自身もそのお話に共感し、1人じゃないと助けられてきたひとりです。

私とマユユの体験が、誰かに届くことを願って記事を書いていきます。
少しでも心のよりどころになれたらうれしいです。

執筆/サチコ

(監修:森先生より)
「できることが0→1になる、0の期間が長かった」というお言葉、同意できる方も多いのではないでしょうか。
お子さんの中での能力が育つ期間、できることが目に見えてあらわれるまでの期間が長く感じられるというケースは少なくありません。
たとえばしゃべることができるようになるまでには、言葉が脳に蓄えられ、他者に伝えたいと思うように社会性が発達する必要があります。
0の期間は、どうしても焦る気持ち、不安な気持ちがわいてきますよね……。

まだ見た目にはあらわれていないだけで、お子さんの中ではしっかりと蓄えられていると信じて、「人とのやりとりが楽しい」と思えるような経験をたくさんさせてあげてくださいね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。
程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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