子育て情報『履修登録で失敗!ASDの私、大学生になったとたんに引きこもり、暗転の4年間への後悔』

履修登録で失敗!ASDの私、大学生になったとたんに引きこもり、暗転の4年間への後悔


親には役立つ単位や資格を取れと言われたが…

両親は私に、学生なのだからもっといろいろな勉強をしなさいと言い、教員、図書館司書、学芸員、速記などの資格取得を勧めました。

しかし、学校にほとんど行けないような調子では、プラスアルファの資格取得など無理でした。心身の調子が悪すぎて、毎日を過ごすだけで必死だったため、そんなモチベーションもわきませんでした。

結局私は、履修登録を象徴とする「自由な大学生活」に慣れることなく大学4年間を無為に過ごしてしまいました。


今の時代は別の方法や選択肢がありそう

今の時代なら、別の方法や選択肢があったかもしれないと思います。

合理的配慮が義務化される中、学生課や就職課では、コミュニケーション障害や社交不安がある人でも相談しやすい配慮があるかもしれません。

履修登録時の情報収集にSNSの力を借りることもできるでしょうし、AIに計算を手助けしてもらったり、プランを提案してもらったりすることもできる可能性があります。

そもそも私のようなタイプには、自由度の高いマンモス大学ではなく、アットホームでこぢんまりした専門学校という手もあったのかも、とも思います。


今の大学生や、高等教育過程の学生には、私よりももう少し楽に学生生活を過ごしてほしいと願っています。

文/宇樹義子

(監修・鈴木先生より)
ASD(自閉スペクトラム症)の特性として「自由が苦手」があります。小学校の休み時間は自由で外で遊んでもいいし、教室で友人としゃべってもいいのです。しかし、ASD(自閉スペクトラム症)の子は「休み時間難民」と言われるように、何をしていいかが分からず、一人でできることをしていることが多いのです。読書、お絵かき、折り紙工作などです。でも、ASD(自閉スペクトラム症)の場合、授業中みんなと同じ教科書を開いていれば皆と同じように過ごせるから不安がないのです。まさに今回の「私」は高校までは受動的にルーティーンをこなしながら同化できていたのでむしろ楽だったのです。大学でも文系は履修登録で大変かもしれません。
理系、特に医学部の場合、一般教養は選択しますがそれ以外は6年間びっしりと授業が決められています。理系はASD(自閉スペクトラム症)の人には過ごしやすいのかもしれません。文系でも理系でも自分に合わなかったらほかの大学または学部へ移ることも一つの方法です。

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