漢方薬「甘麦大棗湯」は癇癪や夜泣きに効果がある?副作用についても【医師監修】
薬の飲み合わせなどにより副作用が出ることもあるので、甘麦大棗湯をはじめ漢方薬を試してみたい場合は、主治医に相談してみてください。
https://doi.org/10.3937/kampomed.69.246
参考:武原 弘典, 松川 義純, 田中 裕, 山本 修平, 堀谷 亮介, 西森(佐藤) 婦美子 著「発達障害に合併する睡眠障害に対して漢方治療が有効であった2症例」日本東洋医学雑誌/69 巻 (2018) 3号 p.246-251
「甘麦大棗湯」の副作用は?
漢方は比較的副作用が少ないと言われていますが、全くないわけではありません。実際甘麦大棗湯にも副作用が確認されています。
主な副作用としては手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばり、脱力感、筋肉痛などがあります。こういった症状が表れた際は服用を止め、医師や薬剤師などに相談しましょう。
また、何か治療を受けている場合やむくみ、高血圧、心臓病、腎臓病のある方は影響が出る可能性があるため、服用前に医師などに相談しましょう。
まとめ
漢方薬「甘麦大棗湯」は子どもの不眠やひきつけなどの症状に用いられるほか、自律神経の乱れや発達障害に関連した癇癪、睡眠障害に対して用いられることもあります。漢方薬としては効果が早く表れることや、甘みがあり子どもにも服用しやすいという特徴があり、子どもから大人まで幅広い年齢の方に用いられています。
ただ、甘麦大棗湯には少ないながらも副作用も報告されているため、服用してみて気になる症状が表れた場合には、すぐに医師などに相談するようにしましょう。
参考文献:甘麦大棗湯エキス〔細粒〕6|KEGG
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。